睡眠不足によって脳への関門が壊れ、神経毒性を持つ血流中の物質が脳に入る

(2014年6月) "Investigacion y Desarrollo" 誌に掲載されたメキシコの研究により、慢性的な睡眠不足によって、神経毒性を有するが通常は(脳に入り込まずに)血流中を循環している分子が、中枢神経系(脳と脊髄)にまで到達して神経細胞の機能に干渉している可能性が明らかになりました。

睡眠不足で血液脳関門に異常

研究者によると、この現象は寝不足によって血液脳関門(血液中の有害物質が脳細胞まで来ないようにするための防御機構。 血管の網で出来ている)に生じる変化が原因です。

この研究で行った動物実験において、不眠期間中に血液脳関門の血管網(のことではないかと思う。 "joints vessels")が劣化し始め、いくつかの物質が血液脳関門を通り抜けて脳組織にまで到達していたのです。

有害な物質が脳に入ってくる

神経化学物質の種類によっては、脳に入り込むことによって神経機能を左右したり、神経細胞死を促進する可能性すらあります。 神経毒性を有し血流中を循環している物質は数多くありますが、例えば、加工食品に調味料として幅広く用いられているグルタミン酸ナトリウムという物質の場合には、神経細胞を過剰に活性化させることによって神経にダメージを与える(興奮毒性)可能性があります。

研究者によると、睡眠不足によって血液脳関門が弱まることによって、第二世代抗ヒスタミン薬などの薬が脳に入り込む危険性もあります:
「抗生物質や第二世代抗ヒスタミン薬のメーカーは、薬の成分が(脳に入っても)脳機能に影響することは無いと保証していますが、血液脳関門が弱まっているとこれらの薬が中枢神経系に影響する可能性があるというエビデンスが存在します。 神経細胞における興奮毒性や、眠気、異常行動、神経細胞死などが生じる可能性があるのです」
睡眠不足で飲小胞も増加
研究グループは別の動物実験で、睡眠不足によって細胞内の飲小胞(小胞の一種)の数が増加することも明らかにしました。 眠らせてもらえなかった動物では、飲小胞の数が最大で3倍にまで増加していました。 飲小胞の増加により脳組織に神経毒性物質が入り込むリスクが増加する可能性があります。