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睡眠障害はアルツハイマー病の前駆症状?

マウス

(2012年9月) "Science Translational Medicine" 誌に掲載されたワシントン大学の研究(マウス実験)により、睡眠トラブルがアルツハイマー病の兆候である可能性が示唆されました。 アルツハイマー病の脳斑が生じた時点で、睡眠/目覚めのサイクルが阻害されるというのです。

現時点ではマウスで確認できただけですが、今回の結果が人間にも当てはまるならば、認知症の症状が現れる前に行われるアルツハイマー病の治療が効果を発揮しているかどうかを、睡眠トラブルの有無で判定できることになります。

アルツハイマー病の前駆症状として睡眠トラブルが発生するにしても、それがヒトにおいてどのような形で現れるのかは未だ不明です。 睡眠時間が減るのかもしれませんし、眠りが浅いのかもしれません。

ヒト

(2013年3月) 同じワシントン大学の研究グループが、次のステップとしてヒトを被験者とする研究を行いました。 この研究は "JAMA Neurology" に掲載されました。

研究の方法

45~75歳のボランティア145人を被験者とする調査を行いました。 研究開始の時点では認知能力に問題のある人は含まれていませんでした。

髄液による検査において前臨床性のアルツハイマー病であると判定されたのは145人中32人でした。 この32人はアルツハイマー病による認知症状はまだ出ていないが、アミロイドのプラークが脳に存在している可能性が高いということです。

被験者たちに2週間にわたって睡眠日記に、就寝/起床の時間・前日の昼寝の回数・その他睡眠に関する情報を記入してもらいました。

さらに、被験者の手首につけたセンサーで被験者の睡眠状態(布団の中で寝ているか目覚めているか)を調べました。

結果

睡眠効率(布団の中で横になって目覚めている時間に対する実際に眠っている時間の割合)が、前臨床性のアルツハイマー病のある32人では80.4%であったのに対して、他の被験者では83.7%でした。

研究者の推算によると、睡眠効率が75%未満の場合には前臨床性のアルツハイマー病であるリスクが5倍以上になります。

前臨床性のアルツハイマー病の人たちは昼寝の回数も多くなっていました。

留意点
睡眠障害がアルツハイマー病の兆候なのか、逆に睡眠障害がアルツハイマー病の原因になっているのかは未だ不明です。