心臓病予防には十分な睡眠も大切

(2013年7月) 心血管疾患(CVD)の予防には運動・健康的な食事・適度の飲酒・非喫煙が有効だとされていますが、"European Journal of Preventive Cardiology" に掲載されたオランダの研究によると、これらの健全な生活習慣の効果を十分に発揮するためには、十分な睡眠が必要であり「十分な睡眠」もCVD予防に必要な生活習慣に加えられるべきだと思われます。

研究の方法

研究開始の時点において20歳で心血管疾患を患っていない男性 6,672人および女性 7,967人の生活習慣や通院記録などを平均12年間にわたって追跡調査しました。

結果

運動・健康的な食事・適度の飲酒・非喫煙・十分な睡眠という5つの生活習慣のうち十分な睡眠を除く4つを達成している場合、「致命的および非致命的な心血管疾患(CCVD)」のリスクが57%、そして「致命的な心血管イベント(FCVD)」のリスクが67%減少していましたが、それらに加えて睡眠も十分に(1晩あたり7時間以上)取っていると、これらのリスク低減率がそれぞれ、57% → 65%と67% → 83%という具合に増加していました。

CCVDのリスクに影響する生活習慣として最も影響が小さかったのが健康的な食事(12%)で、最も影響が大きかったのが非喫煙(43%)でした。 FCVDのリスクについては、最も影響が小さかったのが運動(26%)で、最も影響が大きかったのが非喫煙(43%)でした。 十分な睡眠を達成していたグループでは(睡眠が不十分な場合と比べて)、CCVDのリスクが約22%、そしてFCVDのリスク43%減少していました。生活習慣の有無はいずれも研究開始の時点で計測しました。

類似研究

同じ研究グループが過去に行った研究に睡眠時間が7時間未満であるうえに睡眠の質も悪いという人ではCVDのリスクが63%増加する(睡眠時間が短くてもぐっすり眠れていれば、この限りではない)という結果になったものがあるほか、他の研究グループによる研究にも睡眠不足自体が CVD のリスク要因となることを示すものが2つ存在します。

解説
睡眠不足は、肥満や高血圧のリスク要因であるほか、コレステロールや、ヘモグロビンA、トリグリセライド(中性脂肪)の値が高くなる一因ともなり得ますが、これらによってCVD のリスクが増加するのだと考えられます。