妊娠後期に仰向けで眠ると死産のリスクが増加する??

(2015年1月) "Obstetrics & Gynecology" 誌に掲載された Royal Prince Alfred Hospital(オーストラリア)の研究によると、死産のリスク要因を抱えている妊婦が妊娠後期に仰向け(あおむけ)になって眠ると死産のリスクが増加する可能性があります。
死産
死産(⇔流産)とは、妊娠20週目(日本の定義では22週目)より後に胎児が失われることを言います。 死産の主な原因は胎児の先天異常や、発育不全、胎盤の異常です。 喫煙や高血圧が死産のリスク要因となります。
研究の内容

この研究では、妊娠後期(31週目より後)に死産を経験した女性103人および妊娠27週目以降の妊婦192人を対象に聞き取り調査を行いました。

その結果、死産を経験した女性では10%ほどが妊娠中(最後の一ヶ月間を含む)に仰向けで眠っていました。 これに対して、死産になっていない女性のうち仰向けで眠っていたのは2%だけでした。

喫煙や母体の体重などの死産リスク要因を考慮しても、仰向けで眠ることと死産リスク増加との相関関係は消滅しませんでした。

ただし研究者によると、他に死産のリスク(胎児の発育不全など)が存在しているという点が重要です。

現時点では仰向け寝を避けることは推奨されない

研究者は、この研究だけでは、仰向けで眠ることが死産リスクが増加する原因であることは断定できないことを強調しています。 このように断定するには例えば、眠る姿勢と胎盤から胎児への血流量との関係を調べるなどの研究が必要となります。

したがって、現段階では「妊婦は仰向けで眠るのを避けること」は推奨されていません。 今回の研究に関与していない専門家によると、仰向けで眠るのを懸念すべきですらありませんし、「念のために」横向けになって眠る必要もありません。 横向けの姿勢を続けていると脚に血栓が生じるリスクが増加する可能性があります。

現時点での結論を言えば「好きな姿勢で眠れば良い」ということになりますが、どうしても心配な場合には医師に相談してください。

仰向け寝と死産の関係
仮に、仰向けで眠ることによって死産のリスクが増加しているのだとすれば、その理由は胎児への血流量が減少するためかもしれません。 特に、妊婦に睡眠時無呼吸(睡眠中に何度も呼吸が止まる。肥満者に多い)がある場合には、仰向け寝によって睡眠時無呼吸が悪化して酸素摂取量が減少するので、胎児に既に何らかの問題がある場合には、酸素供給量の低下のために死産になるという可能性が考えられます。