ヒトは食物に含まれる脂肪の量を匂いで判断できる(2/2ページ)

結果の詳細

1回目の実験と2回目の実験の被験者たちは、スキムミルク(脂肪濃度が 0.125%の脱脂粉乳)を上手に識別することができました。 すなわち、普通の牛乳(1.4%)や特濃牛乳(2.7%)とスキムミルクとの違いには敏感であった一方で、普通の牛乳と特濃牛乳との違いには鈍感だったのです。

3回目の実験の被験者たちは、スキムミルクと普通の牛乳の区別があまりできない一方、これら両者と特濃牛乳との区別は上手でした。 ただし、この3回目の実験結果の特徴が肥満者のグループに強く表れていたというわけでもないようです。

匂いの強さと好ましさ

さらに1回目の実験では、被験者たちは、脂肪濃度が高い牛乳ほど匂いが強く、匂いが好ましくないと評価しました。 一方、2回目の実験では、そのようなことはありませんでした。 3回目の実験でも、特濃牛乳の匂いが最も好ましくないと評価されました。


3回目の結果(クリックで拡大)
解説
研究者は次のように述べています:
「食物に含まれる脂肪含有量を匂いで識別できるということは、その能力が人類の進化の過程において相当に重要だったということでしょう」

脂肪はカロリー濃度が最も高い栄養素であるため、人類の進化の歴史の大部分において(庶民でもカロリーが過剰となりがちな現代を除いて)最も好ましいエネルギー源でした。 したがって、食品に含有される脂肪の量を探知できるというのは生存にとって有利であったと考えられます。

ヒトが脂肪を探知するのに何らかの感覚器官が用いられているのはわかっていますが、どの感覚系が(五感のうちのいずれが)用いられているのか明確にははわかっていません。

研究グループは、進化の過程においては嗅覚によって離れた場所から食品(に含まれる脂肪量)を探知できるのが有利であった(ので、嗅覚によって探知している)はずだと考えています。