タバコをやめるとアンチ・エイジングたんぱく質が減少した

(2018年9月) "Medicine" 誌に掲載された福岡大学などによる研究で、喫煙者が禁煙をするとアンチエイジング作用を有するクロトーたんぱく質の血中濃度が低下するという結果となりました。

クロトーについて

クロトーは20年ほど前にアンチエイジング効果を有するタンパク質として特定されました。 その後の研究で、クロトーたんぱく質を作り出すクロトー遺伝子が特定され、クロトー遺伝子が活発な人は寿命が長いことも明らかになりました。 動物実験でも、クロトー遺伝子が欠如していると寿命が短くなったり加齢性疾患にかかりやすくなったりすることが示されています。

クロトーたんぱく質はこれまでに3種類が発見されています。 そのうちの1つであるαクロトーには、膜結合型αクロトーと膜結合型αクロトーから生じ血流中に存在する可溶性クロトー(Sクロトー)の2種類があります。 Sクロトーの血中濃度が高いと死亡リスクが低いというデータがあります。

研究の方法

平均年齢46才の喫煙者28人(男性23人)にバレニクリン(禁煙用の内服薬)またはニコチン・パッチ(禁煙用の貼り薬)を用いた12週間の禁煙プログラムに参加してもらいました。 そして、この12週間の前後にSクロトー血中濃度などを調べました。

結果

21人が禁煙に成功しました。 全ての被験者(禁煙に失敗した人も含む)において、禁煙によりSクロトー血中濃度が下がっていました:
  • バレニクリンのグループ: 488pg/mL → 440pg/mL
  • ニコチン・パッチのグループ: 553pg/mL → 489pg/mL

解説

禁煙によりSクロトー血中濃度が下がるのは、喫煙に対する補償反応として増加していたSクロトー血中濃度が元に戻ることなのだと考えられます。 したがって、今回の研究結果を元に「タバコには若返り効果がある」とうそぶくことはできません。 禁煙は健康にとって非常に有益なので、禁煙をためらってはなりません。