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喫煙が睡眠障害の原因に

(2013年9月) "Psychology, Health & Medicine" 誌に掲載されたフロリダ大学の研究によると、喫煙は睡眠にも悪影響を及ぼします。 これまでにも喫煙と睡眠の関係を調べた研究は行われてきましたが、過去の喫煙習慣と睡眠との関係を調べた大規模な研究はあまり行われていませんでした。

研究の方法

この研究では、20歳以上の成人 4,973人を対象に、食事や喫煙習慣などに関するアンケートと、心身の健康測定、血液検査(血中のコチニン濃度で喫煙の有無を確認するため)などを行いました。

研究グループは、4,973人を喫煙状況に応じて次の3つのグループに分類しました。
  • 喫煙歴の無い人(NS)
    これまでに吸ったタバコの本数が100本未満の人たちです。 コチニンの血中量が14 ng/mL を超える人は、実はタバコを吸っていると考えられるため、NS から除外されました。
  • 現在の喫煙者(CS)
    これまでの人生における喫煙本数が100本以上で、なおかつ現在も毎日あるいは日常的に喫煙している人たちです。 CS の人には喫煙本数も報告してもらいました。
  • 喫煙経験者(FS)
    これまでの人生における喫煙本数が100本以上だけれども、現在は喫煙の習慣が無い人たちです。
結果
3つのグループの間で睡眠の質に有意な違いがありましたが、特に CS と NS の間で大きな違いが見られました。 各グループのアンケート回答結果は次の通りです。

「寝付きが悪い」 ― CS 11.9%、FS 7.0%、NS 4.8%

「夜中に眼が覚める」 ― CS 10.6%、FS 7.8%、NS 5.3%

「早朝に目が覚める」 ― CS 9.5%、FS 6.3%、NS 4.6%

喫煙本数が1本増えるごとに、睡眠時間が1.2分減っていました。

睡眠不足は、鬱病・糖尿病・高血糖・ガン・心血管疾患などの心身の疾患との関連が指摘されています。 これらの疾患の中には喫煙が直接的なリスク要因となるものもありますが、今回の研究によると、喫煙が睡眠の質の低下を介して間接的にもこれらの疾患のリスク要因になると言えそうです。

アンケート調査でも同様の結果に

"Addiction Biology" 誌(2012年9月)に発表されたドイツの研究でも、喫煙が睡眠障害の原因となる可能性が指摘されています。 この研究では喫煙者 1,071人および非喫煙者 1,241人を対象にアンケート調査を実施しました。

その結果、毎晩の睡眠時間が6時間未満の人の割合が、非喫煙者では7%であったのに対して喫煙者では17%でした。 さらに、睡眠障害の割合でも、非喫煙者では19%であったのに対して、喫煙者では28%でした。 睡眠障害であるということは、不眠症である可能性が高いということです。

精神衛生的に問題のある人では睡眠トラブルがあったり、喫煙する傾向が高かったりしますが、この研究で対象となった喫煙者と非喫煙者はいずれも、精神衛生上の問題の無い人たちでした。 また、この研究では年齢・体重・飲酒などの要因も考慮済みです。

この調査を行った研究チームは、ニコチンの刺激作用が原因で喫煙者の睡眠の質と量が損なわれるのではないかと考えています。 他の研究で、タバコを止めて睡眠が改善するという結果になったものもあります。