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他人との触れ合いが腸内細菌の多様性に貢献?

(2016年1月) "Science Advances" 誌に掲載されたテキサス大学オースティン校などの研究によると、他人との触れ合いが腸内細菌の多様性に貢献している可能性があります。

この研究でタンザニアに住む野生のチンパンジーの群れ(*)を対象に社交性や食生活と腸内細菌の変化との関係を8年間にわたり調査したところ、他の仲間と集団生活をする季節の方がチンパンジーの腸内に住む細菌の種類が多かったのです。
(*) チンパンジーの数は40匹で、年齢は幼児から年寄りまで様々でした。
チンパンジーの腸内細菌

チンパンジーの糞から検出された腸内細菌の種類数は数千で、その多くはオルセネラ属やプレボテラ属の細菌などヒトの腸内にも存在する細菌でした。

腸内細菌の多様性の変動

チンパンジーは食料が豊富な雨季に群れで行動し乾季には単独で行動する傾向にありますが、乾季に比べて雨季のほうが腸内細菌の多様性が20~25%ほど増加していました。

季節が変わるとチンパンジーの食生活も変わるので、季節による食生活の違いも腸内細菌の多様性が季節により変動する一因となりますが、研究チームは季節による行動パターンの変化も腸内細菌の多様性の違いに影響していると考えています。

群れにおける腸内細菌の共有

子供が母親から生まれるときに母親の産道に存在する微生物が子供の体に移動することから、母子間では腸内細菌の共有率が高いと思われましたが、研究チームの予想に反して、母子間の腸内細菌共有率は血縁関係の無い個体間における腸内細菌共有率と同程度でした。

このことから、腸内細菌の多様性にとって集団生活における他の個体との交流が大切なのだと考えられます。 集団生活において腸内細菌は、グルーミング(毛づくろい)や交尾などの身体的な接触、あるいは他の個体の糞をうっかり踏んづけるなどにより群れの中で共有されるのだと思われます。

留意点
腸内細菌の多様性の変動がチンパンジーの健康に及ぼす影響も、人間でもチンパンジーと同じほどに社交活動が腸内細菌の多様性に影響するかどうかも現時点では不明です。