性格が違えば社交活動が認知機能に及ぼす有益性も違う

(2016年8月) 認知症の予防においては、運動・知的作業・食生活の改善に加えて社交活動も有益であると言われていますが、米国の大学が行った研究によると、性格の違いにより社交活動が認知機能に及ぼす有益性が異なる可能性があります。

研究の方法
平均年齢56才の男女3千5百人ほどのデータを用いて、社交活動と認知機能(*)との関係において性格を決定する5つの主要因(神経質さ・外向性・開放性・協調性・勤勉性)がどのように影響するのかを調べました。
(*) エピソード記憶力と実行機能。 実行機能とは、計画立案能力・判断力・抽象的思考力・問題解決能力・注意力・感情抑制力などのこと。 エピソード記憶とは個人的な経験に関する記憶力のこと。 過去の出来事を思い起こして再体験するというタイプの記憶力。
結果
外向性・開放性
外向性が強い人や開放性(*)が低い人では、社交活動とエピソード記憶力および実行機能とのあいだに強い関係が見られました。 外向性が強い人や開放性が低い人では、社交活動がエピソード記憶力および実行機能の両方の維持に有益に作用する可能性があります。
(*) 「開放性」とは新奇な経験への開放性という意味。 開放性が強い人は、感性が豊か・妄想や空想が得意・新しいものや変化が好き・政治的にリベラルであるといった傾向にあります。
神経質・協調性
神経質な人や協調性(*)が強い人では、社交活動とエピソード記憶力の関係が弱まっていました。 つまり、こういった性格の人では社交活動がエピソード記憶力の維持にとって有益ではない可能性があります。 神経質な人で社交活動がエピソード記憶力にとってプラスとならないのは、社交活動がストレスになるためかもしれません。 実行機能に関しては、神経質な人や協調性が強い人であっても社交活動による有益さは損なわれていませんでした。
(*) 他人を信頼する・他人に親愛の情を持つ・善良である・正直である・利他的である。