大学に入学すると脳腫瘍のリスクが増加?

(2016年6月) "Journal of Epidemiology & Community Health" に掲載されたカロリンスカ研究所(スェーデン)などによる研究で、大学レベルの教育を受けた人は脳腫瘍になることが多いという結果になりました。出典: Socioeconomic position and the risk of brain tumour: a Swedish national population-based cohort study

研究の方法
32~82才のスェーデン人男女430万人超を17年間ほど追跡して原発性の脳腫瘍(*)の発生状況を調べ、教育水準・可処分所得(†)・婚姻状態・職業などの情報と照らし合わせました。

(*) 他の臓器から転移してきたのではなく、そもそも脳に生じた腫瘍。

(†) 収入から税金や社会保険料などを差し引いた後の、自分の裁量で使うことができる金額。
結果

追跡期間中に110万人が死亡し、4万8千人が(国外へと)移住しました。 脳腫瘍を発生した人数は、男性では 5,735人、女性では 7,101人でした。

教育水準

大学レベルの教育を3年以上受けた男性は、義務教育(9年間の教育)しか受けていない男性に比べて神経膠腫(グリオーマ)と呼ばれる脳腫瘍を発症するリスクが19%超高くなっていました。

女性でも同様に、教育水準が高い女性はグリオーマのリスクが23%、そして髄膜腫と呼ばれる脳腫瘍のリスクが16%高くなっていました。

婚姻状態や可処分所得などの要因を考慮しても、男性に限って数字にわずかな違いが生じただけでした。

可処分所得

可処分所得が多い男性でグリオーマのリスクが14%高くなっていました。 女性では可処分所得と脳腫瘍リスクとの間に関係は見られませんでした。 聴神経腫瘍と呼ばれる良性腫瘍や髄膜腫(90%超が良性)のリスクについては男女共に、可処分所得との間に関係は見られませんでした。

職業
単純労働を仕事としている男性に比べて、知的専門職や管理職に就いている男性はグリオーマのリスクが20%、聴神経腫瘍のリスクが50%高くなっていました。
(*) 知識・経験・技能が要求されない労働。

女性でも同様に、知的専門職や管理職に就いている場合には、グリオーマのリスクが26%、そして髄膜腫のリスクが14%それぞれ高くなっていました。

婚姻状態
男性では独身の場合にグリオーマのリスクが統計学的に有意に下がっていましたが、その一方で髄膜腫のリスクは上がっているようでした(*)。 女性では、婚姻状態と脳腫瘍リスクとの間に関係は見られませんでした。
(*) 髄膜腫のリスク増加はたぶん、統計学的に有意ではなかったのでしょう。