塩分摂取量を増やしても立ちくらみの予防に役立たない?

(2019年2月) "The Journal of Clinical Hypertension" に掲載されたジョンズ・ホプキンス大学などによる研究で、塩分摂取量が多くても立ちくらみは減らないという結果になりました。

予備知識

立ちくらみ(lightheadedness with standing)は転倒・失神・脳卒中のリスク要因です。 多くの場合、立ちくらみの原因は起立性低血圧(立ち上がったときに重力のせいで血圧が低下する)です。

複数の研究で、ナトリウム摂取量が多いと起立時にも血圧が安定し立ちくらみが軽減されることが示されています。 ただ、ナトリウム摂取量を制限しても立ちくらみのリスクが増えるわけではないとする研究も複数存在します。

研究の方法

DASHと呼ばれる食事法の効果を調べる臨床試験を利用しました。 この臨床試験は、412人の男女(平均年齢48才)を2つのグループに分け、一方のグループにはDASHを、もう一方のグループには典型的な欧米型の食生活を続けてもらうというものでした。

この研究では、試験の一環として両方のグループに、ナトリウムを50mg当量/日、100mg当量/日、または150mg当量/日(いずれも 2,100 kcal あたり)という量で30日間ずつ(5日間の空白期間を設けて)摂ってもらった結果を調べました。

結果

試験開始時点での平均血圧は135/86mmHgでした。 被験者の9.5%が「立ちくらみがある」と回答しました。

ナトリウム摂取量が多くても立ちくらみのリスクは低下しないという結果でした。 欧米型の食生活のグループはナトリウム摂取量と立ちくらみリスクとの間に関係が見られず、DASHのグループにいたってはナトリウム摂取量が多いほうが少ない場合よりも立ちくらみのリスクが高く(+71%)立ちくらみ症状も重度だったのです。

DASHのグループにおいてナトリウム摂取量が多いと立ちくらみのリスクが高いという関係は、60才未満の人やBMIが30kg/m超の人で統計学的に有意でした。

結論

「立ちくらみの予防には塩分摂取量を増やすと良い」と言われていますが、今回の結果からすると、塩分摂取量を増やしても立ちくらみの予防に役立たないかもしれません。