太陽活動周期が関節リウマチなどのリスクに影響?(2/2ページ)

研究の内容

件の Mayo Clinicの医師が米国エネルギー省に在籍する物理学者とチームを組み、関節リウマチと巨細胞動脈炎と太陽活動周期との関係を本格的に調べたところ、偶然とは言えないほどの関係の存在が明らかになりました。 太陽の磁気活動のサイクルと関節リウマチおよび巨細胞動脈炎の発生件数の増加とが一致していたのです。

詳細

ミネソタ州オルムステッド郡(Mayo Clinic の所在地)における関節リウマチと巨細胞動脈炎の発生件数に関する50年超分のデータを、地磁気活動(1966~2007年)と太陽から放射される超紫外線の量(1950~2007年)に関するデータと照らし合わせました。 関節リウマチの発生件数は 1,179件、巨細胞動脈炎の発生件数は207件でした。

関節リウマチおよび巨細胞動脈炎と太陽から放射される超紫外線の量との間には統計学的に有意とみなされるほどではありませんでしたが、地磁気活動に関しては有意な関係が見られました:
  • 巨細胞動脈炎 - 地磁気活動が最も強烈となるときから1年以内に決まって新規発生件数がピークを迎えていた。
  • 関節リウマチ - 地磁気活動が最弱となるときから1年以内に発生件数が最少となっていた。
過去の研究データとも合致

今回の結果は、米国における過去の研究で純粋に地理的な緯度という点から見れば同程度の地域間であっても地磁気緯度が異なると関節リウマチの発生件数も異なるという結果になっているのと合致します。

米国では西海岸地域よりも東海岸地域の方が関節リウマチの発生件数が多いのですが、例えば、ワシントンDC(東海岸)は単純な緯度で言えばサンフランシスコ(西海岸)よりも緯度的に1度北に寄っているだけなのに地磁気緯度で言えば7度も北に寄っています。

考えられる理由
太陽嵐が関節リウマチや巨細胞動脈炎のリスクに影響する理由として考えられるのは、メラトニン生産量の変化や一部の人たちにおけるフリーラジカル発生量の増加です。
メラトニンは人体に備わる抗炎症機能を助けて免疫力を強化する作用があります。 電力関係の作業員142人を対象に行われた研究に、地磁気活動が活発になる日にはメラトニン(の体内量を示す物質)の量が21%減少するという結果になったものがあります。
実用性
緯度が低い(太陽嵐の影響が少ない)地域に引っ越すことで関節リウマチや巨細胞動脈炎のリスクを下げられるかもしれません。