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快眠のためのアドバイス

以下は、アラバマ大学の Adam Knowlden 博士と Amy Amara 博士、ニューヨーク長老派教会病院の Daniel Barone 博士と Andrew Westwood 博士、ベイラー医科大学の Philip Alapat 博士、およびメルボルン大学の Joanna Waloszek 博士という6人の睡眠博士のアドバイスなどをまとめたものです。

就寝のタイミング

基本的には、毎日同じ時間に起床/就寝するのが理想的です。 起床/就寝リズムの変更は、なるべく2時間以内にとどめましょう。 2時間を超えて睡眠サイクルが乱れると体内時計が混乱します。 できれば、休日であっても同じ時間帯に起床するようにします。

ただし、朝に起きるのが辛い日が続く場合には就寝時間を早めてみても良いでしょう。 就寝時間を早める場合にも、適正な睡眠環境が大切です。 枕元にテレビ・本・電子機器を置いてはなりません。

昼寝

昼寝はしないほうが夜の寝つきが良くなります。 昼寝をする場合にも長時間の昼寝をするべきではありません。 長時間の昼寝により夜の睡眠に支障が生じます。 長時間の昼寝をしたいという場合、夜の睡眠が不足している可能性があります。

昼寝時間の適切な長さは、Adam Knowlden 博士によると15~20分、Daniel Barone 博士と Andrew Westwood 博士によると20~30分です。 Philip Alapat 博士によると昼寝の時間が30分を超えると本格的に寝入ってしまいます。

昼寝はなるべく午前中に行うようにします。 午後の昼寝のほうが夜間の睡眠の妨げとなりがちです。

睡眠時間

これまでの研究により、成人の睡眠は1晩あたり7~8時間が良いことが示唆されています。 8時間を超えて眠り過ぎるのが長期的な健康にとってマイナスであるという研究結果があります。 ただし、その理由は現在のところ不明です。

就寝前

就寝前には、PC・スマホ・電子書籍・テレビなど明るい光を発する電子機器の使用を避けるようにしましょう。 電子機器から発せられる光(特に「ブルーライト」と呼ばれる青色の波長の光)は、人体に備わる睡眠/覚醒のリズムを狂わせて夜なのに昼であると勘違いさせてしまいます。 少なくとも就寝30分前から電子機器を避けるとグッスリと眠りやすくなります。 布団に入って電子機器を使用するのも控えましょう。

就寝の1時間くらい前から精神を刺激する活動を控えるようにすると眠りに落ちやすくなります。 このような活動にあたるのは、テレビ視聴(特に、手に汗握るアクション映画やストレスの溜まるニュースなど)・ソーシャルメディア(2chや、Twitter、Facebookなど)の利用・勉強などです。 精神を刺激する活動の多くは明るい光にさらされる活動でもあるため、睡眠/覚醒のリズムが狂う原因ともなります。 布団に入って本を読むのも睡眠の妨げとなることがあります。

睡眠に適した環境

睡眠には暗く静かな環境が適しています。 5ルクスという僅かな明るさであっても睡眠に支障が生じる恐れがあります。 また、寝室の気温が低いほうが寝つきが良くなります。 就寝前に熱いお風呂に入ると眠りに入りやすいのも、お風呂から出たのちに体温が急速に下がるためです。

また、"Indoor Air" 誌(2017年)に掲載された研究によると、寝室の窓やドアを開けて寝室の2酸化炭素濃度を下げると睡眠の質が向上して熟睡できます。 冬はともかく夏には、窓やドアを開けたり換気扇を付けっぱなしにして就寝すると良いかもしれません。

カフェイン

午後遅くや夕方になってからは、コーヒー・お茶・コーラ・チョコレートなどカフェインを含有する飲食物を避けるようにします。

カフェイン400mg(コーヒー2~3杯分に相当)を就寝6時間前に摂取するのであっても睡眠時間が1時間以上減るというデータもあります。

アルコール

お酒は睡眠の導入には役立つかもしれませんが、アルコールの摂取量が多過ぎると眠りが浅くなり睡眠の質が低下します。 また、アルコール度数が低いビールなどで大量に水分を取ったのちに眠ると、必要なだけの睡眠を取る前に尿意により目が覚めてしまうため睡眠不足となります。

食生活

食物繊維をしっかり摂り、飽和脂肪と糖類の摂取を控えるようにするのも睡眠の助けとなります。

コロンビア大学の研究によると、①食物繊維をしっかり摂ると眠りが深くなり、②飽和脂肪を多く含む食品を食べると寝つきが悪いうえに眠りが浅くなり、③糖類を多く摂ると夜中に目覚めることが多くなります。 飽和脂肪は肉の脂身や乳製品に多量に含まれています。

水分補給

水分を十分に補給しておくことで睡眠の質が改善されることがあります。 水分は寝る前に一度に補給するのではなく、1日を通してこまめに摂っておくようにします。

水分が不足しているとイビキをかきやすくなります。 水分を十分に摂っていてもイビキが治らないのであれば、それは閉塞性睡眠時無呼吸症(OSA)の兆候かもしれません。

運動習慣

運動習慣を続けることによって、夜間に目覚めることが減り睡眠の質が向上します。 運動の種類は何でもよいのですが、運動を習慣的に行うことが大切です。 普段は運動をしていないのに1日だけ激しい運動をしたりすると、逆に夜間の眠りが妨げられることがあります。

運動は早朝または夕方に行うと良いでしょう。 そこそこの激しさの有酸素運動を1週間あたり150分行うことを目指します。

目が冴えて眠れない場合

布団に入ってから寝付けないままに30分が経過したならば、いったん布団から出てしまいましょう。 いったん布団から出てしまって、強すぎない照明のもとで読書など心の休まることをしましょう。 このとき、テレビ・スマホ・PCなど光を放つ電子機器を使う行為は厳禁です。 本を読む場合にも、なるべく退屈な本を選びましょう。

そうして心休まるひとときを過ごして疲れてきたら布団に入ります。 それでも眠れなければ再び布団から出て、読書などの心の休まる行為を再開します。 5~6回もこれを繰り返すことになるかもしれませんが、そういうときにも朝はいつもと同じ時間に起床することが大切です。 眠りに就く時間が遅くなって睡眠時間が短くなるからといって起床時間を遅らせると、その日以降の睡眠のリズムが狂ってしまいかねません。

医療機関を利用する
概日リズム(サーカディアン・リズム)障害が生じている場合などは専門医の診察を受けると良いでしょう。 睡眠専門医は適正な概日リズムを回復する手助けとなります。