酸味でリスクに対して大胆に。 不安症の人にオススメ?

(2018年6月) "Scientific Reports" に掲載されたサセックス大学(英国)の研究で、酸味を味わうとリスクに対して大胆になることが示されました。出典: When life gives you lemons, you take more risks

研究の方法

英国またはベトナムに住む男女168人に、5つの味覚(苦味・塩味・酸味・甘味・旨味)のいずれかの味がする溶液(20ml)またはミネラル・ウォーターを飲んだうえで、風船に空気をギリギリまで入れるというコンピューター・ゲームで遊んでもらいました。

風船に入れた空気の量が多いほど貰えるおカネが増え、風船が割れる(いつ割れるかはランダムに決定される)と一銭も貰えないというルールでした。 風船に1回空気を入れるたびに、ゲームから降りるかどうかを選択できました。

夜のラス・ベガス

結果

酸味(クエン酸)の溶液を飲んだグループは、他の味の溶液を飲んだグループに比べて風船に空気を入れる回数が次のように増加していました:
  • 旨味(グルタミン酸ナトリウム)に比べて +40%
  • 甘味(砂糖)に比べて +39%
  • 苦味(カフェイン)に比べて +20.5%
  • 塩味(塩化ナトリウム)に比べて +16%

被験者の生来のリスク嗜好や思考スタイル(直感的か分析的か)にかかわらず、酸味は人をリスクに対して大胆にさせていました。

今回の試験では酸味のリスクに対する姿勢への影響は20分間を超える程度でしたが、酸味の量や濃度によってはもっと長時間にわたり効果が持続するのではないかと研究チームは考えています。

解説

研究者によると、酸味のある食品(酸っぱい果実など)を1口食べてみること自体がリスク・テイキング(リスクを冒すこと)のようなものです(それゆえに酸味でリスクの高い行為への抵抗が減るのかもしれない)。

実用性

リスク・テイキングの内容は人により様々です。 1万メートルの高空を飛ぶ飛行機から飛び降りるくらいでないとリスク・テイキングとは言えないと豪語する人もいるかもしれませんが、抑鬱不安障害などを抱えている人にとっては家から出たり人に話しかけたりするだけでもリスク・テイキングに相当します。

家から出るだけでも大変だというような人は、酸味を強化した食事をすることで家から出やすくなるかもしれません。

研究者は次のように述べています:
「今回の研究によると、酸味によって無謀なリスクを冒すようになるようなことはありません。 リスクを過度に避けようとする人のリスクへの抵抗感を減らす効果が酸味に期待できます」
ただし、その一方で研究チームは「リスク・テイキングが深刻な影響をもたらしかねない飛行機のパイロットなどは普段の食事の酸味を控えめにするほうが良いかもしれない」とも述べています。