大部分のクモは冤罪の犠牲者

大分のクモはヒトに危害を加えない

蜘蛛(以下「クモ」)は滅多に人を噛みません。 クモとしても別に人を噛みたいわけではなく、それどころか人を恐れて避けるので、クモに噛まれるのはクモが人に驚かされたとき、例えば、クモが住み着いている手袋・靴・ちょっと老いぼれてるピアノ・洗い立てのブラウス・地下室の隅っこなどに人が手を突っ込んで追い詰められたときだけなのです。

そして、クモに噛まれたにしても、まず多くのクモは牙で人の皮膚を突き破ることすら出来ません。 クモの牙は人の皮膚に歯が立たないことが多いのです。

さらに、大部分のクモは人にとって有害な毒を持っていません。 クモは小さな無脊椎動物を捕食するので、大型の哺乳類であるヒトには作用する毒を持っていないのが普通です。

ヒトにとって危険なクモ

地球上に存在するクモは4万種ほどですが、健康な成人に危害を加える可能性があるのは、そのうちの10種類程度に過ぎません。 日本に昔から存在する毒グモはカバキコマチグモだけで、このクモは大して危険ではありませんが、近年になってセアカゴケグモが関西に定着するようになり、2000年にはクロゴケグモが山口県の米軍岩国基地で見つかりました。 セアカゴケグモとクロゴケグモは、人を殺すほどの毒を持つので要注意です。

しかし、毒グモであっても無闇にヒトを襲撃するようなことはなく、米国のクモ研究者が100匹のドクイトグモを腕に這わせても全く噛まれなかったという報告があります。

クモは冤罪の犠牲者

また、米国の研究に、毒グモに噛まれたというケースの大部分が実は毒グモではなかったという結果になったものがあります。 南カリフォルニアにおいて、毒グモに噛まれたとして受診した182件のうち、実際に毒グモが原因だったのは3.8%に過ぎず、85.7%は感染症だったというのです。

さらに、別の研究で、クモに噛まれたと訴える患者の30%近くにおいて、皮膚の異常の原因が MRSA (薬剤耐性を持つ黄色ブドウ球菌)への感染によるものだったというものもあります。

クモに噛まれたのと間違われることの多いのが、ノミやトコジラミ(南京虫)、アレルギー、毒のある植物、細菌やウイルスへの感染などです。

クモは益虫
クモは害虫を捕食してくれる益虫であり、クモが人を噛むことよりも、クモのエサとなる害虫が人を噛むことの方が多いほどです。 セアカゴケグモなどの一部の邪悪な毒グモを除いて、クモは人間の友人であると言えるでしょう。