SSRI系抗鬱剤の実力は過小評価されている。 適量を飲めばしっかりとした効果が速やかに得られる!

(2016年6月) 近年の研究でSSRI系抗鬱剤の効果が疑問視されていますが、"Translational Psychiatry" 誌に掲載されたヨーテボリ大学(スェーデン)の研究(メタ分析)によると、SRRI系抗鬱剤を適切な用量で用いれば一般的に考えられている以上に効果があると思われます。出典: A mega-analysis of fixed-dose trials reveals dose-dependency and a rapid onset of action for the antidepressant effect of three selective serotonin reuptake inhibitors

研究の方法

SSRIメーカーが成人の鬱病患者を被験者として3種類のSSRI(*)の効果を調べた11の臨床試験のデータを分析しました。 被験者の人数は合計3千人近くで、鬱病の評価にはハミルトンうつ病評価尺度(HDRS)が用いられました。

(*) シタロプラム、セルトラリン、およびパロキセチン。
結果
SSRIの用量が推奨用量(*)に満たない患者のデータを除外すると、これまで考えられていた以上にSSRIの抗鬱効果がプラシーボより強いことが明確になりました。
(*) シタロプラム:10~20mg、セルトラリン:50mg、パロキセチン:10mg

推奨用量に満たない用量や推奨用量下限近くの用量であってもプラシーボ以上の抗鬱効果は認められました。 ただ、推奨用量よりも多くSSRIを服用した場合にも、推奨用量を服用した以上の効果は発揮されていませんでした。

効果が発揮されるまでの期間

SSRIが効果を発揮し始めるまでには数週間がかかるというのが一般的な認識ですが、今回のメタ分析では、服用開始から1週間ですでにSSRIの抗鬱効果がそこそこ表れ始めていました(ただし完全な効果を発揮するまでには何週間かかかる)。

利害関係
今回の研究者3名のうち2名が、セルヴィエ社やイーライ・リリー社などの製薬会社から金銭を受け取ったことがあることを認めています。