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妊娠・出産に関わるSSRI系抗鬱剤のリスク

2012年の10月に発表されたメタ研究(他の複数の研究の分析)によると、プロザック、ゾロフト、パキシル、レクサプロなどのSSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)という抗鬱剤は、女性の妊娠に関してはデメリットばかりでメリットがありません。
主な結果
  • 妊娠中の女性がSSRIを服用すると、流産や早産のリスクが増加します。
  • SSRIを服用している妊娠中の女性では、妊娠高血圧と妊娠高血圧腎症のリスクが増加します。 妊娠初期の三ヶ月間の後もSSRIの使用を継続する場合に、このリスクは特に増加します。
  • 妊娠中にSSRIを服用していると、奇形児の生まれるリスクがあるかもしれません。 特にパキシルは、新生児の先天的な心臓欠陥の原因となることが疑われています。
  • SSRIの長期使用により、新生児が低体重となる、あるいは呼吸困難となるリスクが増加します。 ただし低体重に関しては、2012年3月に発表された研究で、SSRIを服用している母親から生まれた子供は、誕生の時点ではSSRIを服用していない母親から生まれた子供よりも小さいけれど、2週間で他の子供に追いつき、生後1年の時点では身長・体重・頭囲において他の子供と違わなくなっているという結果が出ています。

  • 胎児のときに母親がSSRIを服用していた(胎内でSSRIに暴露した)子供は、乳幼児のときに新生児問題行動症候群(Newborn Behavioral Syndrome)となるリスクが30%増加します。 新生児問題行動症候群の子供は、神経過敏でいつまでも泣き止まず、食事を与えるのが困難です。 癲癇(てんかん)や呼吸トラブルを起こすケースも稀(まれ)にあります。
  • メタ研究の対象となった研究の1つでは、妊娠中にSSRIを服用していた母親から生まれた子供では自閉症スペクトラムになるリスクが二倍になることが報告されています。 このリスクは特に、妊娠初期の三ヶ月間のあいだにSSRIを服用していた母親で顕著です。
  • 妊婦においてSSRIが鬱症状改善に効果があるというエビデンス(証拠)が見つかりませんでした。 今回のメタ研究の調査対象となった多数の研究において、妊娠中の女性に対してSSRIは、プラシーボと同じか、あるいは僅かに優れた効果しかないという結果になっていたのです。
  • 不妊治療中の女性がSSRIの使用により、さらに妊娠しにくくなる可能性を示唆する研究もありました。
ただし複数の専門家が、このメタ研究について「SSRIのデメリットばかりを強調している。 鬱病の人にとってSSRI以外の選択肢は無いというのに」という趣旨のコメントをしています。 また研究者自身も「妊婦はSSRIを使用するなと主張したいわけではない」と述べています。