SSRI系抗鬱剤で心血管疾患のリスクは増えない

(2016年3月) "*The BMJ*" に掲載されたノッティンガム大学の研究で、SSRI系抗鬱剤(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)の服用によって心血管疾患(心臓病や脳卒中)のリスクは増加しないという結果になりました。出典: Antidepressant use and risk of cardiovascular outcomes...

抑鬱それ自体が心血管疾患のリスク要因であることが知られていますが、抗鬱剤(特にSSRI系抗鬱剤)が心血管疾患のリスクにどのように影響するかに関しては相反するデータが存在します。

研究の方法

2000年から 2011年のうちに抑鬱と診断された20~64才の英国人患者24万人近くを最長で 2012年8月まで追跡調査して、様々な抗鬱剤の服用と心臓発作・脳卒中(または一過性脳虚血発作)・不整脈の発生率との関係を調べました。

結果
SSRI系抗鬱剤の服用によって心臓発作・脳卒中/一過性脳虚血発作・不整脈の5年間におけるリスクは増加していませんでした。 それどころか心臓発作に限るとリスクは低下していました。 心臓発作リスクの低下はSSRI系抗鬱剤の中でもフルオキセチンで顕著でした。
心臓発作の発生件数が、SSRI系抗鬱剤を服用していないグループでは1万人に10人だったのに対して、SSRI系抗鬱剤を服用しているグループでは1万人に6人、フルオキセチンを服用しているグループでは1万人に4人でした。
その一方で三環系抗鬱剤は、服用を開始後の4週間において不整脈のリスクが2倍に増加していました。