「最新健康ニュース」のコンテンツを閲覧以外で利用する方は「引用・転載・ネタ探しをするときのルール」をご覧ください。

SSRI系抗鬱剤の長期使用で骨量が減るが、βブロッカーでそれを防げる

(2016年9月) SSRI系抗鬱剤により骨折のリスクが増加することが知られていますが、"Nature Medicine" 誌に掲載されたコロンビア大学の研究(マウス実験)により、フルオキセチンというSSRI系抗鬱剤により骨が失われるけれども、高血圧の治療に用いられるβブロッカーによりそれを防げることが明らかになりました。

フルオキセチンは脳にシグナルを送ることで骨量の減少を引き起こしますが、βブロッカーはそのシグナルを遮断することで骨量の減少を防ぎます。

フルオキセチンの骨への作用

今回の研究によるとフルオキセチンは、投薬開始後の数週間は溶骨細胞を阻害することによって骨が分解されて血中へと吸収されるのを防ぐ効果を発揮します。 しかしその後は、脳にシグナルを送って、溶骨細胞を阻害する効果を相殺するだけでなく、骨の形成を損ないもします。

βブロッカーを併用すると

脳のシグナルにより骨量が減るのはアドレナリンの血中量が増加するためです。 研究チームはプロプラノロールと呼ばれるβブロッカーをマウスに少量投与することで、このシグナルを中和することに成功しました。

βブロッカーを投与したマウスでは、フルオキセチンを長期間投与しても骨量は減少しませんでした。 また、βブロッカーを投与してもマウスの振る舞いに変化が生じなかったことから、βブロッカーの併用によってフルオキセチンの抗鬱効果は損なわれないと思われます。

フルオキセチンとβブロッカーの併用が実現すれば、骨粗鬆症のリスクが増加する更年期前後の女性にとって特に有効だと考えられます。