閲覧以外でのコンテンツの利用をお考えの方は引用・転載をするときのルールをご確認ください。
Copyright (c)2013-2017 最新健康ニュース All Rights Reserved.

妊娠中に抗鬱剤(SSRI)を服用するとヘソの緒が伸びる

(2016年5月) "PLOS ONE" に掲載された東フィンランド大学などの研究によると、妊娠中に抗鬱剤の一種であるSSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)を服用すると、臍帯(へその緒)が通常よりも長くなる恐れがあります。

解説
へその緒が長いと?

臍帯が長くなると、血流が弱まって胎児が酸素不足になりかねません。

へその緒がSSRIで伸びる理由は?

胎児が子宮内で動く量が多いと臍帯が伸びて長くなることから、SSRIが胎児の活動量に影響を及ぼすのだと思われます。

研究の方法

フィンランドのクオピオ大学病院で 2002~2012年のうちに出産した女性2万4千人超のデータを調べました。

結果

妊娠中に抗鬱剤を使用していた女性は1.7%(416人)で、使用された抗鬱剤の過半数がSSRIでした。 SSRIの中でも最も使用されることが多かったのはシタロプラムで、217人が使用していました。

へその緒の長さ

SSRIを服用していた母親から生まれた子供は、そうでない母親から生まれた子供に比べて臍帯が長い率が高くなっていました。

さらに、母親の年齢(35才を超えているかどうか)・BMI(肥満でないかどうか)・喫煙習慣・飲酒量・健康状態・出産歴などの要因を考慮しつつSSRIの種類(*)別に分析したところ、シタロプラムを使用していた女性から生まれた子供でのみ、妊娠中にSSRIを服用していなかった女性から生まれた子供よりも臍帯が長くなっていました。 シタロプラム以外のSSRIは使用者数が少なかったため、統計学的に意味のある結果は得られませんでした。
(*) シタロプラム、セルトラリン、フルオキセチン、パロキセチンの4種類。
活動性スコア
妊娠中にSSRIを使用していた母親から生まれた子供は活動性スコア(Apgarスコア)が低く、NICU(新生児集中治療管理室)でケアする必要が生じることが多い傾向にありました。 ただしこの傾向は少なくとも部分的には、SSRIではなく母親の抑鬱によるものだと思われます(*)
(*) 過去の複数の研究でも、妊婦の精神状態が胎児の健康状態に影響することが示されています。
コメント
研究者は次のように述べています:
「抑鬱は薬物で治療してもしなくても、妊娠・出産になんらかの影響を及ぼします。 それゆえに、妊娠中の鬱病治療においては、患者ごとに適切な治療法を選択することが極めて重要となります」