スタチンの効果と安全性は誇大化されている

(2015年2月) "Expert Review of Clinical Pharmacology" に掲載された論文において南フロリダ大学などの研究者2名が、コレステロール低下薬のスタチンは世間で言われているよりも効果的ではなく、副作用が多いと主張しています。

論文の概要
この論文はスタチンに関する複数の臨床試験のデータを分析したもので、論文著者の主張は次のようなものです:
  • スタチンによりコレステロール値は確かに下がるが、それによって心血管疾患(心臓病や脳卒中)によるリスクが相当に改善するわけではない。
  • スタチンによる心血管疾患リスク低減の効果を主張するときに、絶対リスク(「1%」のように小さな数字になりがち)ではなく相対リスク(「50%」のように大きな数字になりがち)が用いられるために、効果が大きく見える。
  • スタチンによる副作用はマスコミや学会で報告される以上に一般的である。 スタチンの副作用は、ガン、白内障、糖尿病、認知機能低下、筋骨格(筋肉・骨・関節など)系の疾患など。
  • スタチンの副作用として、スタチンによるコレステロール低下に起因するガンのリスク増加があると思われる。 このリスクを確認するには長期的な試験が必要だが、スタチンの副作用を調べるための試験は短期的(2~5年間)なものが主である。 数少ない長期的な試験の中には、スタチンを10年超にわたり使用した女性で乳ガンのリスクが飛躍的に増大するという結果になったものがある。
論文著者は、心血管疾患のリスクを下げるためのスタチンに代わる方法として、①(禁煙・体重抑制・運動・ストレス解消など生活習慣の改善と、②(特に2型糖尿病の患者において)低炭水化物の食事を提唱しています。