スタチンに骨折予防の効果は無さそう

(2014年12月) "JAMA Internal Medicine" に掲載された Albert Einstein College of Medicine(米国)の研究で、スタチン(コレステロール低下薬)の一種であるロスバスタチンに、炎症が多い人の骨折リスクを低減する効果は無いという結果になりました。

炎症が骨粗鬆症と心血管疾患(心臓発作や脳卒中)の両方に関与している可能性があることから、スタチンに骨折のリスクを低減する効果があるか否かを調べる観察研究がこれまでに複数行われており、そういった研究ではスタチンに骨折リスク低減の効果がありそうだという結果になっていましたが、無作為試験はほとんど行われていませんでした。

今回の研究

そこで今回の研究では、JUPITER(Justification for the Use of Statins in Prevention: an Intervention Trial Evaluating Rosuvastatin)と呼ばれる無作為試験のデータを調査しました。 この試験の被験者は、高感度C反応性タンパク質(hs-CRP。 炎症の指標)の血中量が2mg/Lの男女 17,802人でした(年齢は男性50才超、女性60才超)。

被験者は2つのグループに分けられ、一方のグループには20mg/日のロスバスタチンが、もう一方のグループにはプラシーボが投与されました。

結果

試験期間中に発生した骨折件数は431件で、そのうちの221件がロスバスタチンを服用するグループで発生しました(プラシーボのグループは210件)。 この結果を100人あたりの骨折者数に換算すると、プラシーボのグループで骨折者が100人につき1.14人だったのに対して、ロスバスタチンのグループでは100人あたり1.20人だったということになります。

また全般的に、試験開始当初の hs-CRP 血中量と骨折リスクとのあいだの相関関係も見られませんでした。

結論
以上の結果から研究チームは「(用量を増やせばどうかはわからないが、少なくとも)心血管疾患の予防に用いられる用量のスタチンには骨折予防の効果が無さそうだ」と結論付けています。