スタチンで白内障になるリスクが増加①

(2013年9月) "JAMA Ophthalmology" に掲載された研究によると、コレステロール低下薬のスタチンにより白内障の発症リスクが増加します。 ゾコールやリピトールなどのスタチンを服用している人では、白内障になるリスクが27%増加するというのです。

スタチンは、体内でコレステロールの生産に必要となる物質を遮断することでコレステロールを下げる薬です。 コレステロールは、動脈の内壁に蓄積して心臓発作や脳卒中の原因となります。

コレステロール低下薬のスタチンと白内障との関係については、これまでにも複数の研究が行われてきましたが、それらの結果はまちまちでした。 スタチンにより白内障のリスクが増加するという結果になった研究もあれば、逆に白内障のリスクが減少するという結果になったものもあります。 参考記事: スタチンは白内障の原因になるどころか白内障を予防する

今回の研究

今回の研究では、2003~2005年にかけて収集された30~85才の米国人のデータを用い、2つの分析を行いました。

1つ目の分析では、スタチン服用者 7,000人(90日以上の服用)と、スタチンを服用していないけれども他の点(健康状態など)に関してはスタチン服用者に類似している人たち 7,000人とを比較しました。

その結果、スタチン服用者のうち白内障と診断されたのが36%であったのに対して非服用者では34%と、両者にほとんど違いは見られませんでした。

2つ目の分析では、スタチン服用者であって(コレステロール以外には)健康問題がない人たち 6,113人を、スタチンを服用していない 27,400人と比較しました。

その結果、年齢、性別、体重、薬の服用、白内障以外の眼の疾患、喫煙・飲酒・薬物の習慣などの要因を考慮すると、スタチン服用者のうち白内障と診断されたのが34%であったのに対して、非服用者で白内障と診断されたのは10%でした。 さらに、スタチンの服用期間が長くなるほどに白内障の発症リスクが増加していました。

研究者のコメント

スタチンにより白内障のリスクが増加する機序は不明ですが、眼のレンズを透明に保つのに大量のコレステロールが必要だからである可能性があります。

研究者は次のように述べています:
「今回の結果によって、スタチンではなく、禁煙や、健全な食事、運動などの生活習慣の改善によりコレステロールを下げようという人が増えてくれることを望みます。 いずれにせよ、スタチンの服用が必要なのかどうかを医師としっかり話し合ってください」
今回の研究に関与していない専門家は次のように述べています:

「今回の研究では、医療記録ではなく(病院の)課金データを用いたため、白内障の重症度が不明であるという欠点があります。

スタチンによる白内障のリスク増加は軽微ですし、白内障の治療技術は進歩しているので、スタチンの服用が必要な場合には躊躇(ためら)わずに服用しましょう」
米国立衛生研究所によると、白内障の手術は最も一般的で最も安全な手術の1つです。