高用量のスタチンが認知症(非血管性)の予防に有効

European Society of Cardiology Congress 2013(2013年度の欧州心臓学会会合)で発表された台湾の研究によると、コレステロール低下薬のスタチンを服用している人では、若年性および老年性の非血管性認知症と診断されることが減っていました。

この研究では、1997~1998年に65歳以上だった人たち 57,669人のデータを分析しました。 4.5年ほどの追跡期間中に認知症と診断されたのは 5,516人で、残りの 52,153がこの研究の対照群となりました。

1日あたりのスタチン服用当量(equivalent dosage)と追跡期間全体におけるスタチン服用当量の総量に応じて、57,669人を3つのグループに3等分しました。

分析の結果、スタチンの服用量(1日あたり及び期間全体)が多いほど、認知症になるリスクは減っていることが明らかになりました。 対照群と比較して、3つのグループの認知症リスク減少度は、服用量の少ない順におよそ、38%、30%、および58%でした(HR がそれぞれ 0.622、0.697、0.419。 p<0.001)。 年齢、性別、心血管リスクに関わらず、スタチンの保護効果は見られました。

研究者によると、スタチンが親油性(シンバスタチン、アトルバスタチン、ロバスタチンなどが親油性)であるか親水性であるかよりも、スタチンの力価のほうが認知症リスクの低減に影響していました。 力価の高いスタチンを高用量で服用していた人で、認知症のリスクが最も下がっていました。

ほとんどのスタチンで、高用量の服用によって認知症の新規発症リスクが下がっていましたが、ロバスタチンではリスク減少の効果が見られませんでした。 それどころか、ロバスタチンを大量に服用している人では、認知症と診断されるケースが増加していました。 これは、ロバスタチンが親油性のスタチンであるのに、抗炎症性のコレステロール減少効果が同じく親油性のスタチンであるシンバスタチンやアトルバスタチンほどではないためであるからかもしれません。