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禁煙開始直後には腸内細菌叢の特徴が肥満者と同じになる

(2013年9月) これまでの複数の研究により太る(禁煙1年目に4~5kg程度)ことが示されていますが、"PLoS One" に掲載されたスイスの研究によるとそれは禁煙によって腸内細菌叢が変化するためかもしれません。

研究の方法

20人のボランティアから9週間にわたって回収した大便サンプルを用いて、腸内細菌の遺伝子プロファイルを分析しました。 20人の内訳は、喫煙歴の無い人が5人・喫煙者が5人・研究開始から一週間後(たぶん9週間のうちの最初の1週間が経過した時点)に禁煙を開始したのが10人というものでした。

結果
腸内フローラの変化

喫煙を続けていた10人と喫煙をしたことの無い5人とでは、腸内細菌の多様性にほとんど違いがありませんでしたが、タバコを止めたばかりの人ではプロテオバクテリアとバクテロイデスという2種類の腸内細菌が増加していました。

この2種類の腸内細菌は肥満者の腸内にも多く見られる細菌であり、エネルギー(腸内まで届いたカロリーから細菌が得たエネルギー)の使い方が効率的で、通常であれば人体では消化されない線維質を分解すると考えられています。 したがって、これらの細菌が腸内に大量に存在する人(禁煙を始めたばかりの人や肥満者)では、摂取したカロリーのうち体外に廃棄されずに脂肪として蓄積されるものの割合が多いと考えられます。

体重の増加

研究期間中に禁煙を始めた5人では、飲食習慣に変化が無い(自己申告による)にも関わらず研究期間中だけで平均2.2kgほど体重が増加しました。 つまり、摂取するカロリーの量や運動量は変わらないのに禁煙によって太ったと考えられるのです。 禁煙後に摂取カロリーを減らした人でさえも太る傾向にありました。

関連研究

今回の研究だけでは禁煙による腸内フローラの変化と体重増加との関係を証明するのに十分ではありませんが、腸内細菌と体重増加の関係は他の複数の研究でも示されています。 例えば、先日 "Nature" 誌に掲載された研究では、腸内細菌の多様性が乏しい人は太りやすいうえに糖尿病や心臓病などの病気になりやすいことが示されています。

また、2012年に発表された中国の研究では、エンテロバクターという腸内細菌の1種をマウスに注射したところマウスが太るという結果になりましたが、このエンテロバクターというのは今回の研究に登場するプロテオバクテリアの一種です。

この研究では肥満者の腸内にはバクテロイデス菌が多いということですが、2013年9月に発表されたワシントン大学の研究では、バクテロイデス菌の一種である Bacteroidetes phylum によって肥満マウスの肥満が改善されるという結果になっています。