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イチゴに乳ガンの増殖を抑制する効果?

(2017年4月) "Scientific Reports" に掲載されたマルケ・ポリテクニック大学(イタリア)などの研究によると、イチゴ(苺)に乳ガンの増殖を抑制する効果が期待できるかもしれません。 細胞実験とマウス実験で、イチゴの抽出物に乳ガン細胞の増殖を阻害する効果が認められたのです。出典: Polyphenol-rich strawberry extract (PRSE) shows in vitro and in vivo biological activity against invasive breast cancer cells

細胞実験
侵攻性が強い(増殖が速い)タイプの乳ガン細胞(A17と呼ばれる)を、様々な濃度(0.5~5mg/ml)イチゴ抽出物(*)で24時間・48時間・72時間という3通りの時間にわたって処理したところ、乳ガン細胞の分裂と移動(†)へと至るサイクルが遮断されました。 イチゴ抽出物の濃度が高く処理時間が長いほど高い効果が得られました。

(*) 「アルバ」と呼ばれる品種のイチゴ。 「アルバ 苺」で検索しても情報が見つかりませんが、イタリアでは最も一般的なイチゴの1つだそうです。 見た目も普通のイチゴ。 (参考URL:その1その2

(†) ガンが周辺組織に広がるうえで非常に重要な役割を果たす。
イチゴ抽出物にはさらに、ガンの浸潤と転移に関与する複数の遺伝子(*)の発現量(†)を減らし、その一方で、Htatip2 と呼ばれ乳ガンのリンパ神経節への転移を抑制する作用を持つと考えられている遺伝子の発現を促進するという効果もありました。

(*) Csf1、Mcam、 Nr4a3、Set など。

(†) 「遺伝子の発現」とは、遺伝子の設計図に基づいて体内で特定のタンパク質が作られること。
マウス実験

メスのマウスが生後になった時点で2つのグループに分けて、一方のグループには普通のエサを、そしてもう一方のグループにはイチゴ抽出物を15%の割合で含有するエサを与えました。

そうして、それぞれのエサを与えるようになってから1ヶ月後に、細胞実験に使用したのと同じタイプの乳ガン細胞を両グループに注射しました。

乳ガン細胞を注射してから5週間後に腫瘍をマウスから取り出して、腫瘍のサイズと重量を計測したところ、イチゴ抽出物にはやはりガン細胞が周囲の健康な組織へと広がるのを阻止する効果があるようでした。 イチゴ抽出物を与えられたグループのほうが腫瘍のサイズも重量も小さかったのです。

留意点

今回の研究は細胞実験とマウス実験なので、今回の結果がヒトには当てはまらない可能性もあります。

また、イチゴの抗ガン効果はイチゴに含まれるフェノール化合物のお陰ではないかと思われますが、このフェノール化合物の濃度がイチゴの品種により大きく異なる点にも注意が必要です。