ストレスで増加するホルモンがアルツハイマー病を促進する

(2015年9月) "The EMBO Journal" に掲載されたフロリダ大学の研究により、精神的なストレスがアルツハイマー病のリスク要因となるメカニズムの解明が進みました。出典: Researchers Find Some Evidence of Link Between Stress, Alzheimer’s Disease

ヒトの細胞とマウスを用いた実験で、ストレスに反応して脳が放出する副腎皮質刺激ホルモン放出因子(CRF)というホルモンによってアミロイドβ(アルツハイマー病の原因となる毒性のタンパク質)の生産が促進されることが明らかになったのです。

マウス実験

急性の(慢性的ではない)ストレスにさらされたマウスは、ストレスにさらされなかったマウスに比べてアミロイドβが増えていました。 増加が顕著だったのはアミロイドβのなかでもアルツハイマー病の発症に関わる有害なタイプのものでした。

ヒトの細胞を用いた実験

CRFによりアミロイドβが増加するメカニズムを調べるために、ヒトの神経細胞をCRFで処理するという実験を行ったところ、CRFによってアミロイドβが増加しました。

CRFによりアミロイドβが増えるメカニズム

上記の他にも様々な実験を行った結果、CRFによりγセクレターゼ(アミロイドβペプチドを産生する膜内切断酵素)の活性が増大し、それによってアミロイドβの生産量が増えていることがわかりました。

ただし、CRF受容体を遮断してもアミロイドβの増加を防げませんでした。