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ストレスや過労で心臓発作になるのは血管壁に住む細菌が原因だった?

(2014年6月) 心理的なストレスや、ショック、過労が心臓発作や脳卒中の原因になると昔から言われており、複数の研究でそのことが確認されていますが、"mBio" 誌に掲載された米国の研究によると、そのプロセスには人体の血管に住む細菌が関与している可能性があります。

心理的ストレスなどを感じたときに分泌されるカテコールアミンというホルモンによって、細菌が血管壁に形成し、動脈硬化のプラークと癒着しているバイオフィルムが霧散し、そのためにプラークが血流中に破裂するというのです。

研究の概要

この研究で、アテローム性動脈硬化に侵された頚動脈のサンプルを検査したところ、全ての頚動脈サンプルにおいて複数種類の細菌がバイオフィルムを形成して血管に住み着いていました。

研究グループは次に、(ヒトの動脈を模した)シリコン・チューブの内部に形成されたバイオフィルムに、ストレスやショックを感じた人の体内で分泌されるのと同程度の濃度のノルアドレナリン(ストレスに反応して放出される化学物質。 カテコールアミンの一種)を添加するという実験を行いました。

その結果、Pseudomonas aeruginosa という頚動脈に一般的に見られる細菌が、ノルアドレナリンに反応してバイオフィルムを霧散させました。
バイオフィルムの霧散

バイオフィルムとは細菌群のコミュニティーを外部から守るためのもので、通常は抗生物質も免疫系も通用しませんが、特定の分子シグナルを受信すると霧散して複数の酵素を放出します。

これらの酵素には、バイオフィルム内に住む細菌群をバイオフィルム内に留めておくための足場を消化する作用がありますが、それ以外に付近の組織を消化する作用もあります。 この消化作用のために、動脈硬化のプラークが血流中に流れ出ないようにしている組織まで消化されてしまいます。
細菌のバイオフィルムが動脈硬化のプラークと癒着しているために、バイオフィルム周辺のプラークも血管壁から血流中に遊離して心臓発作の引き金となっている可能性があります。