ストレスとテロメア(細胞老化の指標)の関係

(2019年3月) "Psychoneuroendocrinology" 誌に掲載されたカリフォルニア大学などによる研究で、子供のころに慢性的なストレスにさらされていた人はテロメアが短いという結果になっています。
著者: Stefanie E.Mayer et al.
タイトル: Cumulative lifetime stress exposure and leukocyte telomere length attrition: The unique role of stressor duration and exposure timing

研究の背景

ストレスは病気になるリスクを増加させますが、これにはストレスによるテロメアの短縮が関与している可能性があります。

これまでの横断研究で、子供時代あるいは成人後のストレスが多い人はテロメアが短いという結果になっていますが、今回のような縦断研究で両者の関係を調べたものはほとんどありません。 ストレスのタイプを発生時期(子供/大人)や持続期間(一過性/慢性)により区別する研究はこれまでに1つも行われていません。

研究の方法

自閉症児の母親と健常児の母親あわせて175人(中年)を対象に、それまでの人生におけるストレスの程度を尋ねたり、テロメアの長さを検査したりしました。 テロメアの検査は2回行いました(ストレスの程度を調べるのと同時、およびそれから2年後)。

結果

人生におけるストレスが多い母親は2回の検査のいずれにおいてもテロメアが短いという結果でした。

ただし、ストレスの種類に分けて分析すると、テロメアの長さとの間には関係が見られたのは18才未満(特に12才以下)のときに被った慢性的なストレス(健康・仕事・人間関係・金銭などの持続的な問題や、虐待、育児放棄など)だけでした。

18才未満のときに被った慢性的なストレスが多い人は、初回の検査でテロメアが短かっただけでなく、初回から2回めの検査にかけての2年間においてテロメアが大幅に短くなっていました。
ちなみに急性的なストレスは、親族の死亡・失業・一時的な健康問題など。