ストレッチでマウスの乳ガンの腫瘍が小さくなった

(2018年5月) "Scientific Reports" に掲載されたハーバード大学などの研究(マウス実験)で、ストレッチにより乳ガンの腫瘍が小さくなるという結果になりました。

研究の方法

乳ガンを発症させたマウス66匹を2つのグループに分けて、一方のグループにのみ4週間にわたりストレッチをさせました。 いずれのグループも乳ガンの治療は行いませんでした。

ストレッチの内容

「ストレッチ」と言っても前屈運動というわけではありません。 体を伸す運動です。 マウスの尻尾をつまんで体を持ち上げて、床に置いた鉄の棒を掴ませ、その状態を10分間ほど維持させるということを1日1回行いました。

マウスのストレッチ
黒い矢印の部分が乳ガン

上の写真で乳ガンの生じている位置が示されていることや、研究チームが「局所的に引き延ばされる組織に移植された腫瘍の成長をストレッチにより減じられるのではないかと考えた」と述べていることから、乳ガンが発生している組織(胸部)を引き伸ばすことが大切であるようです。

優しく」というのもキーポイントであるようです。 「優しく引き延ばす」という表現が何度か出てきます。

結果

4週間後、ストレッチをしたグループはストレッチをしなかったグループに比べて、乳ガンの腫瘍の容積が52%小さくなっていました。

ストレッチをしたグループではPD-1が減る一方でSPMが増えていました。 PD-1は体がガン細胞に対抗するのを邪魔する物質で、SPMは炎症の自然な解消を促進する物質です。

留意点

今回の研究はマウス実験なので、ヒトでも同じ結果になるとは限りません。 また、ストレッチの最適な強度/量/頻度もわかっていません。

さらに、ストレッチにより乳ガンの転移が促進される恐れがないか否かも今後の研究で確認する必要があります。