「最新健康ニュース」のコンテンツを閲覧以外で利用する方は「引用・転載・ネタ探しをするときのルール」をご覧ください。

脳卒中発生から時間が経っていても徹底的なリハビリが有効

(2015年6月) フロリダ大学の研究によると、脳卒中の標準的な治療をしても障害が残っている場合にはリハビリを強化するのが有効かもしれません。

脳卒中が生じたあと直ちに脳と体は回復し始め半年後までは改善が見られますが、今回の研究では標準的な治療を終えてから1年以上が経過した患者であってもリハビリを強化することで運動機能が改善することが示されました。

研究の方法

この研究では、脳卒中後の標準的な治療を終えてから1年以上が経過し、重度の障害が残っている患者39人に週に5日間、1日5時間という集中的なリハビリを12週間にわたって続けてもらいました。 リハビリのターゲットは日常生活において重要となる肩・腕・手の機能でした。

患者たちには3つのグループに分かれて、それぞれに内容が異なるリハビリを受けてもらいました。 3つのグループとは次のようなものです:
  1. 運動機能のリハビリのみを行うグループ。 特定の動作を何度も反復練習するというリハビリです。
  2. 運動機能のリハビリに加えて電気的な刺激によるリハビリを行うグループ。 電気刺激によるリハビリでは、前腕に電極を取り付け適度な電気刺激を筋肉に与えることによって手を上げられるようになります。
  3. 運動機能のリハビリに加えてロボットが補助するリハビリを行うグループ。 ロボットを用いたリハビリでは、前腕と手をロボットが支えた状態で肩と肘の動きによってコンピューターの画面上に写し出されたターゲットに(たぶんカーソル的なものを)届かせるという訓練を行います。 ロボットが前腕と手を支えるので、患者は肩と肘の動きに専念できます(肩と肘の動きに連動してロボットが前腕と手を支えて動いてくれるのでしょう)。

1のグループは5時間のすべてを運動機能のリハビリに費やし、2と3のグループは3時間半だけ運動機能のリハビリを行い残りの時間はロボットまたは電気刺激を用いたリハビリを行いました。

結果

1~3いずれのグループでも有意な改善が見られました。 協調運動(coordination)を評価する尺度のスコアが平均で2倍かそれに近い程度に上がっていました。 例えば、スプーンを持ち上げることができなかった人が自分で食事をできるようになるケースや、セーターの袖に腕を通せるようになるケースがありました。

回復の程度は各グループで同等でした。 ただし研究チームによると、被験者数がもっと多ければグループ間で統計学的に有意な差が表れた可能性もあります。

患者の身体機能回復には個人差があり、劇的に改善する人もいれば改善幅が少ない人もいました。

研究者は次のように述べています:
「今回の研究における回復の程度は、これまでに発表されてきた研究では見られなかったほどに高い水準です。 したがって脳卒中後の治療は、従来行われてきたよりも長く、そして徹底的に行うのが有効だと思われます。 障害の程度が重い患者も同様です」
コスト
今回の研究では1人のセラピストが3人の患者を担当しました。 その人件費とリハビリ機器のコストを併せて、患者一人が負担するリハビリ費用は 4,500~5,600ドル程度(たぶん12週間で)になります。