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カリウムに対するナトリウムの摂取量が多い人は脳卒中になりやすい

(2016年7月) "*BMJ Open*" に掲載された生活習慣病予防研究センター(日本)などの研究によると、カリウム摂取量に対してナトリウム摂取量が多いと心臓病や脳卒中などで死亡するリスクが高くなります。出典: Dietary sodium-to-potassium ratio as a risk factor for stroke, cardiovascular disease and all-cause mortality in Japan: the NIPPON DATA80 cohort study

研究の方法
30~79才の日本人男女8千人超のNa-K比(*)を調べ、Na-K比に応じてデータ全体を5つに分割しました。 そして、その後の24年間における死亡リスクを5つのグループの間で比較しました。
(*) カリウム摂取量に対するナトリウム摂取量の比率。 カリウムの摂取量に対してナトリウム摂取量が多いと値が大きくなる。 3日分の食事データに基づいて判定した。

調査対象となった男女はいずれも、高血圧の治療中ではなく、脳卒中や急性心筋梗塞の病歴が無い人でした。 分析においては、年齢・性別・喫煙習慣・飲酒習慣・BMI・糖尿病の有無・コレステロール値などの要因を考慮しました。

各グループのNa-K比
5つのグループのNa-K比は次のようなものでした:
  1. 男性 1.30、女性 1.22
  2. 男性 1.64、女性 1.55
  3. 男性 1.90、女性 1.80
  4. 男性 2.19、女性 2.08
  5. 男性 2.81、女性 2.65
結果
24年間のうちに 1,938人が死亡しました。 Na-K比が高いグループでは、総死亡リスクおよび心血管疾患(*)・脳卒中全体(†)・出血性脳卒中による死亡リスクが高くなっていました。 虚血性脳卒中とNa-K比との関係は統計学的に有意とは言えませんでした。

(*) 心臓病や脳卒中。

(†) 脳卒中には血栓が引き起こす虚血性の脳卒中と、脳内出血による出血性脳卒中の2種類が存在します。 虚血性脳卒中が脳卒中全体の85%を占め、出血性脳卒中は15%。
Na-K比が最も大きいグループはNa-K比が最も小さいグループに比べて、次のように死亡リスクが増加していました:
  • 総死亡リスク: +16%
  • 心血管疾患: +39%
  • 脳卒中全体: +43%
  • 虚血性脳卒中: +42%
結論
心血管疾患のリスクを下げるうえで、Na-K比を下げる(*)のが有益だと思われます。 2006年に "American Journal of Clinical Nutrition" に掲載された介入研究でも、Na-K比を下げることによって高齢者が心血管疾患で死亡するリスクが下がるという結果になっています。
(*) 2つの方法があります: ①ナトリウム摂取量を減らす、②カリウム摂取量を増やす。 カリウムは野菜や果物に豊富に含まれています。 カリウムはジャガイモにも豊富に含まれていますが、ジャガイモで高血圧のリスクが増加するというもあります。