吃音症の子供は言語能力が低いどころか高い

"Pediatrics" 誌に掲載されたオーストラリアの研究によると、10人に1人の子供が4歳までに吃音症(どもり)を発症しますが、吃音症が知的能力に悪影響を与えることは無さそうです。 言語能力、思考力、感情の抑制のいずれにおいても、吃音症の子供は他の子供と同等以上の成績だったのです。

研究者は次のように述べています:
「吃音症は比較的一般的な症状です。 発達途中での吃音症は、少なくとも就学前の段階では(知能に)悪影響を与えていません」

今回の研究では、就学前の子供の吃音症の割合が11%でしたが、過去の研究では子供では5%、大人では1%程度という数字でした。

今回の研究で11%という大きな数字になったのは、研究を開始した年齢が幼かったためかもしれません。

この研究では、1,600人の子供が生後8ヶ月になった時から、母親に定期的なアンケートを実施しました。 そして、子供が4歳になったときに言語能力と振舞いに関するテストを行いました。

吃音症の有無は専門家が子供の自宅を訪問して判断し、吃音症であることが確認された子供については毎月訪問して吃音症の状態をチェックしました。

4歳までに吃音症であると診断された子供は181人で、診断後にも継続的に吃音症のチェックがお子会われた子供は142人でした。 この142人のうち、1年後に吃音症が治っていたのは9人(6%)でした。

吃音症の子供は、そうでない子供と比較して、言語テストの成績が5.5点、非言語的な知能のテストの成績が2.6点高いという結果でした。 これらのテストは平均点が100点ということなので、満点が100点のテストではありません。 したがって、5.5点や2.6点というのは、大して大きい数字ではないと思います。 ただし、吃音症の子供が、そうでない子供と比べて、知能が劣っていないことは明確ですね。

研究グループによると、吃音症によって言語能力が向上する、あるいは言語能力の発達が非常に早いのが原因で吃音症になる可能性があります:
「この時期は、子供の運動性言語系が、子供が獲得を取得する早さに追いつくのに大変な時期に当たります」

言葉を話す際の舌や口の動きが言語の獲得に追いつけないために吃音症になるのではないかというわけですね。

吃音症の子供に対しては、治療(時間と費用がかかる)の前に1年ほど様子を見て、子供にとって吃音症が大変なストレスになったり、話すことを止めてしまうような場合にのみ治療が行われるのが普通です。
「今回の研究によって、(1年は様子を見るという)このアプローチで良いことが確認されました。 1年が経過して、吃音が悪化の一途をたどっている場合や、子供が吃音を懸念し始めた場合、あるいは吃音症が原因でイジメられる場合には、吃音症の治療が必要となります」