閲覧以外でのコンテンツの利用をお考えの方は引用・転載をするときのルールをご確認ください。
Copyright (c)2013-2017 最新健康ニュース All Rights Reserved.

病は気から。 運動不足を自覚しているだけで早死のリスクが増加

(2017年7月) "Health Psychology" 誌に掲載されたスタンフォード大学の研究によると、「自分の身体活動量が同年代の他の人よりも少ない」と思っている人は実際の身体活動量とは関わりなく死亡リスクが高くなります。

運動などの身体活動を実際に行う量が等しい2人で比較したときに、「自分の身体活動量が人並み以上だ」と思っている人に比べて「自分の身体活動量は人並み以下だ」と思っている人は早死にしやすいというのです。

研究の方法

米国に住む成人男女6万人超の身体活動量・健康状態・生活環境を調べたのち21年間にわたり死亡状況を追跡調査したデータを分析しました。

結果

「自分の身体活動量が他人よりも少ない」と感じていたグループは「自分の身体活動量は他人よりも多い」と感じていたグループに比べて、追跡期間中における死亡リスクが71%高くなっていました。

解説

主観的な身体活動量が死亡リスクに影響しているとすれば、それはプラシーボ効果で説明がつくかもしれません。

プラシーボ効果とは「体に良いものを摂った」という認識だけで実際には体に良いものを摂っていなくても健康状態が改善されるという現象のことですが、それと同じように「自分は運動(体に良いこと)を十分にしている」という認識によって健康状態が改善されている可能性があります。

逆に運動不足を自覚している場合には、プラシーボ効果がマイナスに作用して健康に悪影響を及ぼすのかもしれません。 「自分は運動不足だ」と思うことで健康に関して不安になったりストレスを感じたりすると、そのような不安感やストレスが肉体に実際的な悪影響を及ぼす恐れがあります。

今回の研究者が以前に行った研究では、ホテル従業員に「あなたたちはホテル従業員としての仕事をするだけで、推奨される身体活動量を達成できていますよ」と伝えるだけで、体脂肪の減少や血圧降下などの効果が従業員に見られるという結果になっています。 運動不足を不安に感じていたホテル従業員に「自分は運動不足ではないのだ」という自覚が芽生えただけで、このような健康効果が得られたのです。

今回の研究の活かし方

普段の日常生活で自分が無意識のうちに行っている様々な身体活動(階段を登る・通勤通学で歩いたり自転車に乗ったりする・家の掃除をするなど)に思いを馳せて、自分が実は色々と体を動かしていることを明確に認識すると、「私は運動不足じゃなかった。知らないうちに体に良いことをしてたんだなあ」という幸せな気持ちになって、それが健康状態の改善につながるかもしれません。