サブリミナル効果で高齢者の身体機能が改善

(2014年10月) "Psychological Science" 誌オンライン版に掲載予定のイェール大学の研究によると、サブリミナル効果を用いて高齢者の身体機能を改善できるかもしれません。

この研究では、米国に住む高齢者100人(平均年齢81才)を2つのグループに分けて、一方のグループに対してのみ PC画面上で「溌剌(はつらつ)」や「創造的」など高齢者に関するステレオタイプの中でもポジティブなものを意味する言葉を、潜在意識でしか認識できないほど瞬間的に表示しました。

そして、もう一方のグループと比較したところ、ポジティブな言葉を視覚的に浴びたグループは、その後3週間にわたってバランス能力が回復するなど身体の機能が向上し、老人に特有のネガティブな自己認識(自分が自分に抱くイメージ)が弱まっていました。

研究チームの過去の研究では、年齢に関するネガティブなステレオタイプ的イメージが高齢者の身体機能に悪影響を及ぼすことが示されています。

今回の研究から、サブリミナル効果により高齢者の身体機能が改善されるのは、次のようなプロセスによるものだと思われます:

  1. サブリミナルを視た高齢者の中で、老人に関するステレオタイプのうちポジティブなものが強化される。

  2. その強化されたポジティブなステレオタイプによって高齢者の自己認識がポジティブになる。

  3. そして、そのポジティブな自己認識によって身体機能が改善する。
今回の研究と同じ年齢層の高齢者を対象に半年間の運動プログラムによる身体機能の改善度を調べる研究が過去に行われていますが、今回の研究で示されたサブリミナル効果による身体機能の改善度は、その運動プログラムによる改善度を上回るものでした。