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人工甘味料のスクラロースも血糖値やインスリン値に影響する

(2013年5月) 人工甘味料の一種であるスクラロースはこれまで血糖値やインスリン値に影響しないと考えられてきましたが、ワシントン大学の研究によると血糖値やインスリン値に影響を与える可能性があります。

研究の方法

今回の研究では、重度の肥満者17人を被験者として、スクラロースの影響を調べました。 この17人はBMI が42以上もある肥満者ではあるけれども糖尿病ではなく、人工甘味料を日常的に使用していない人たちでした。

被験者たちに、水またはスクラロースを飲んでもらった後に、ブドウ糖負荷検査(GCT)を受けてもらいました。 GCT に用いたブドウ糖の量は、一般的な耐糖試験の場合と同程度でした。 この実験における研究グループの目的は、スクラロースとブドウ糖の組み合わせがインスリン値と血糖値に与える影響を知ることでした。

各被験者には、GCT を二回ずつ(水とスクラロース)受けてもらいました。 一回目に水を飲んだ被験者には、二回目にスクラロースを飲んでもらった(あるいはその逆)わけです。

結果

試験の結果、水を飲んだときよりもスクラロースを飲んだときのほうが、GCT における血糖値の最高値が上昇しており、さらにインスリン値も20%高くなっていました。 このことから研究グループは、スクラロースが血中インスリンのおよびグルコース反応(ブドウ糖反応)の増加に関与すると考えています。

解説

インスリン応答の増加は、一応は好ましいことであると考えられます。 血糖値の急増に対応するのに十分な量のインスリンを作り出せるということだからです。 しかし、インスリンの分泌量増加が常態化してしまうと、インスリン抵抗性が増加するために2型糖尿病のリスクが増加します。

過去に行われた他の研究でも、人工甘味料がインスリンの分泌に影響を与える可能性が示されています。 胃腸や膵臓(すいぞう)にも、口の中に存在するのと同じ受容体があって、これが甘みを感知するとインスリンなどのホルモンの放出量が増加するというのです。 さらに、人工甘味料によって腸内の受容体が活性化するとブドウ糖の吸収量が増加することも、複数の動物実験で示されています。

研究者によると、これまでの人工甘味料の研究の大部分は、太っていない健康な人を被験者として行われてきたそうです。 今回の研究では重度の肥満者を被験者としたために、従来と異なる結果になったのかもしれません。

研究グループは今後、スクラロースが肥満者の血糖値とインスリン値に影響を与えるメカニズムや、この影響が好ましいものなのか、それとも悪いものなのかについて調べる予定です。 インスリン値の20%の増加というのが、臨床的には無意味である可能性もあります。
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