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乳幼児突然死症候群(SIDS)の原因が明らかに?

(2017年10月) "Plos One" に先月掲載されたアデレード大学などの研究により、乳幼児突然死症候群(SIDS)の原因が明らかになったかもしれません。

SIDSとは

SIDSとは、乳児が突然死んでしまい、死後の調査でもその理由が不明であるというケースのことを指します。 "SIDS" という言葉は、乳幼児突然死症候群の英語である "Sudden Infant Death Syndrome" の頭語です。

SIDSは睡眠中の乳児で起こり易くなります。 寝かしつけた後で、苦しんだ様子もなく死んでいるのに気が付くというのが典型的です。

SIDSは米国では生後12ヶ月までの乳児の死因としてトップで、毎年2千人ほどがSIDSで亡くなっています。

研究の概要

米国で発生した55件のSIDSの症例を調査したところ、SIDSになった赤ちゃんでは脳幹(脳の一部。脊髄につながる)の領域のうち頭頸部の動き・呼吸・心拍・酸素欠乏に対する身体の反応を司る部分に異常が生じていることが明らかになりました。 うつ伏せで寝る赤ちゃんにSIDSが多いのもこのためだと考えられます。

異常の内容

SIDSになった赤ちゃんで異常が見られたのは、①P物質(サブスタンスP)という神経ペプチドの伝達と、②P物質とNK1受容体との結合でした。

P物質とNK1受容体は、脳による①呼吸系、②心血管系、③低酸素状態に対する身体の反応の制御において極めて重要な役割を果たしています。 P物質とNK1受容体に異常がある赤ちゃんは、睡眠中にうつぶせ寝などで口がふさがれた状態になって呼吸が妨げられても呼吸を確保する行動(顔を上げるなど)を取れないのだと考えられます。

P物質とNK1受容体の異常は未熟児や男児で顕著でした。 このことは、SIDSが未熟児や男児に多いという事実と合致します。