いちおうは有益な腸内細菌の定着を糖類が邪魔する恐れ

(2018年12月) "Proceedings of the National Academy of Sciences" に掲載されたイェール大学の研究により、有益な腸内細菌のコロニー形成(定着)の鍵を握るタンパク質が糖類により封じ込められてしまうことが明らかになりました。出典: Sugar targets gut microbe linked to lean and healthy people

糖類はこれまで腸(intestine、たぶん小腸を指す)で吸収され腸(gut、たぶん大腸を指す)には届かないと考えられてきましたが、最近の研究で、糖類が腸内細菌の住みかである結腸(大腸の一部)にまで届くことが示されています。

研究の方法

マウス実験で、大量のショ糖(いわゆる普通の砂糖。果糖+ブドウ糖でできている)やブドウ糖がバクテロイデス・テタイオタオミクロン(Bacteroides thetaiotaomicron)という善玉菌(野菜などの健康的な食品の処理に関与する)(*)に及ぼす影響を調べました。
(*) 検索で調べると、バクテロイデス・テタイオタオミクロンはいちおうは有益な細菌だが、日和見菌でもあるので状況しだいでは有害となる。 ヒトでもネズミでも腸内に大量に存在する。

結果

果糖もブドウ糖も Roc と呼ばれテタイオタオミクロン菌が腸に定着する際に必須となるタンパク質の生産を遮断してしまいました。

テタイオタオミクロン菌を改造し、果糖やブドウ糖により Roc が封じ込められないようにすると、果糖やブドウ糖の含有量が多いエサをマウスに与えた場合にもコロニー形成が損なわれませんでした(果糖/ブドウ糖 → Roc作られない → コロニー形成が妨げられるという流れであることが確認された)。

研究者は次のように述べています:
「腸内細菌に対する(宿主の)食事の役割は栄養補給だけではありません。 糖類のような炭水化物も(腸内細菌の振る舞いを左右する)シグナル伝達分子として作用することがあるようです」