閲覧以外で当サイトのコンテンツを利用する場合には必ず引用・転載・ネタ探しをするときのルールに目を通してください。

太陽の光に肥満と糖尿病を抑制する効果?

(2014年10月) "Diabetes" 誌に掲載された Telethon Kids Institute(オーストラリア)などの研究によると紫外線に体重増加と2型糖尿病を抑制する効果があるかもしれません。 出典: Sun shines light on obesity challenge by Anke van Eekelen)

紫外線照射の効果

高脂肪のエサを与えられているマウスに3ヶ月間にわたり紫外線の照射を繰り返したところ、体重増加が30~40%ほど低減されました。 さらに、空腹時血糖値・インスリン値・コレステロール値の悪化も緩和されていました。

体重抑制効果があるのはビタミンDではない

過去の研究にビタミンD(紫外線に当たると体内で合成される)に肥満防止の効果があることを示唆するものがありますが、今回の研究では体重増加の抑制とビタミンDの血中量との間に関係が見られませんでした。 したがって、紫外線に当たることにより作られるビタミンDで肥満が抑制されるのではなく紫外線がもたらす他の作用により肥満が抑制されるのだと考えられます。

研究者は次のように述べています:
「今回の結果はビタミンDの血中濃度とは無関係でしたし、ビタミンDをマウスに投与しても紫外線照射と同じ効果を得ることはできませんでした。 ビタミンDと肥満抑制効果との間に因果関係があるかどうかは依然として不明です。 高脂肪のエサを与えられているマウスではビタミンDの存在が紫外線照射による有益な作用(体重抑制効果)を妨げているように見受けられました」
ビタミンDではなく一酸化窒素
研究者によると、紫外線で体重増加が抑制されるのは紫外線によってビタミンDが作られるためではなく、紫外線に当たることによって皮膚に存在する一酸化窒素の量が増加するためだと思われます。
生体が食事から得た一酸化窒素は、皮膚が紫外線にさらされることで代謝されて活性化し利用可能な状態になります。

一酸化窒素を含有するクリームを過食マウスの皮膚に塗ることでも、紫外線を浴びせたときと同様の体重抑制効果が見られました。 その一方で、ビタミンDを投与しても紫外線照射と同じ効果が見られませんでした。

紫外線の種類と照射量

今回のマウス実験で用いられたのは主として紫外線B波(*)でした。 照射量は日焼けの原因とならないほどの少量で、紫外線に対する過敏性が平均的な人が正午に10分間ほど日光に当たるのと同程度でした。

(*) 紫外線B波(UVB)はビタミンDが作られるタイプの紫外線。紫外線A波(UVA)では作られません。

その一方で一酸化窒素は、"Nitric oxide produced by..."という文献に「角化細胞がUVAとUVBに反応して一酸化窒素を分泌する」とあることから紫外線A波でもB波でも作られるようです。 "Ultraviolet Radiation and Melanoma"(PDF)にも「UVAとUVBの両方が血管内皮細胞における一酸化窒素の合成を活性化させる」とあります。
留意点
今回の結果がヒトにもそのまま当てはまるとは限りません。 マウスは夜行性であるうえに、毛皮に覆われているために、ヒトに比べて日光に当たることはあまりありません。 したがって、ヒトでもマウスの実験と同じ結果になるかどうかを確認するための研究を行う必要があります。
Copyright (c)2013-2017 最新健康ニュース All Rights Reserved.