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名字が似ていると遺伝子も似ている?

(2016年2月) スペインの研究チームが、Y染色体と名字との関係を調査した結果が "European Journal of Human Genetics" に発表されています。

世界の多くの文化において名字は父親のものが息子へと受け継がれますが、Y染色体(女性には存在しない染色体)も名字と同じように父から息子へと受け継がれます。

研究の方法
まず、スペインで使われている名字の中から37種類を選出し、それらを珍しさに応じて次の5つのグループに分類しました。
  • 非常に一般的: スペイン全土で15万人超が保有する Fernandez や Martinez などの名字。
  • 一般的: 1万5千~15万人が保有する Aguirre や Diez などの名字。
  • 一般的ではない: 5千~1万5千人が保有する Tirado や Ibarra などの名字。
  • 珍しい: 3千~5千人が保有する Bengoechea や Cadenas などの名字。
  • 非常に珍しい: 保有者が100~3千人でしかない Nortes や Albiol などの名字。

そして、上述の37の名字を持つが血縁関係にはない男性たち 1,766人と、一般の男性355人(比較対照用)からDNAのサンプルを採取して、名字との関係を調べました。

結果

珍しい名字の場合にのみ、名字が同じであるとY染色体も似ていました。 名字が珍しくなくなるほどに、『名字が同じであればY染色体が似ている』 という関係は弱まっていました。

研究者は次のように述べています:
「スペインにおいて、名字とY染色体の間には強い関係が存在しました。 スペイン全土で保有者が6千人未満という比較的珍しい名字を共有する男性たちの大半は、Y染色体が全く同じであるか非常によく似ていたのです。 このことから、珍しい名前を共有している男性たちは祖先も共通しているのだと思われます」

スペインのどの地域に由来する名字であるかや、名字の起源がどのタイプ(父親の下の名前・地名・職業名・ニックネーム・身体的な特徴)であるかは名字とY染色体との関係に影響していませんでした。

英国とアイルランドの場合

同じような研究がこれまでに英国とアイルランドで行われています。 英国の研究ではスペインの場合と同様の結果ですが、アイルランドの研究では、珍しくない名字の中にも 『名字が同じであればY染色体が似ている』 という関係を示すものがあるという結果になっています。

研究チームは、アイルランドのケースの方が特殊で、スペインや英国のケースの方が一般的ではないかと考えています。