日焼け止めの「SPF」の本当の意味

SPFの意味
世間的な認識
日焼け止めの性能を表示するのに用いられるSPFという単位は、世間的に次のような意味であると理解されています:
SPF × 何も塗っていない素肌が日焼けするまでの時間 = 塗った後の肌が日焼けする時間

この式によると、素肌が日焼けするまでの時間が15分だとして、SPFが10の製品を塗っていれば150分間は日焼けしないということになります。 最近ではSPF100などの製品もありますから、そのような製品だと1500分間すなわち25時間も日に焼けない?

真の意味

そうではありません。 SPFというのは実は日焼けするまでの時間ではなく、日焼けを防ぐ確率なのです。

したがって例えばSPF30の製品であれば、1分当たりの日焼け確率を1/30にしてくれる、つまり何も塗っていない素肌の日焼け率が100%だとして、SPF30の製品を使っていれば日焼け率が3.33...%になるということになります。

これがSPF80であれば、1.25%の日焼け率です。 そうするとSPF100で0%の日焼け率? と思いきや、そうではなくて1%の日焼け率(つまり、99%の確率で日焼けをブロック)ということだそうです。

日焼け止めが不要な人はいない

米国ローワン大学の助教授を務めるジェニファー・カドル博士によると、メラノーマ(皮膚ガンの一種。性質が悪い)を予防するためには、人種・肌の色の濃さ・日焼けしやすさに関わらず全ての人が日焼け止めを使用する必要があります。

さらにカドル博士によると、多くの人は日焼け止めの使用量が十分ではありません。 日焼け止めは1回あたり30mlほど(手の平全体をカバーする程度の量)を使う必要があります。

そして、日焼け止め製品の説明書の指示にかかわらず、2時間おきに塗り直すのがベストです。 特に、泳いだり大量に汗をかいたりしたときには日焼け止めが流れ落ちてしまうので塗り直す必要があります。

日焼け止めの選び方

日焼け止めを選ぶ際には、日焼け止めがブロックしてくれる紫外線の種類についても注意が必要です。

紫外線の種類

紫外線は波長の長さによってUVA(紫外線A波)、UVB(紫外線B波)、UVC(紫外線C波)の三種類に分類されます。 このうちUVCは大気に吸収されてしまうので人体への影響はほとんどありません。 残る二種類のうちUVAは肌の老化や皮膚がんの原因になり、UVBは日焼けや、メラノーマ、基底細胞がんの原因になります。

UVBは人体がビタミンDを合成するのに必要ですが、UVAは有害なだけでメリットは一切ありません。

UVBブロック能力の指標
上述のSPFは、UVBをブロックする能力を示しています。 テキサスA&Mの助教授シンシア・ウェストン博士は、日差しの強い季節に戸外で活動する時には最低でもSPF30の日焼け止めを使用することを推奨しています。 博士本人はSPF50の日焼け止めを使っているそうです。
UVAブロック能力の指標

UVAをブロックする能力の表示にはPAやPPDといった単位が用いられます。

PAとは日本独自のUVAブロック能力の指標で、PA+(効果がある)、PA++(かなり効果がある)、PA+++(非常に効果がある) の三段階で表されます。 PPDの方が段階分けが細かく、2以上4未満がPA+、4以上8未満がPA++、8以上がPA+++に対応しています。

SPFとPPD(PA)のバランス

SPFとPPD(あるいはPA)とのバランスも重要で、PPDがSPFの1/3はあるのが望ましいそうです。 例えば、SPFが100でもPPDが10しかなければ、UVAを十分に防げずに片手落ちだということですね。