太極拳が血中脂質の改善に効果。 肝心なのは「気」の流れ!?

(2016年9月) "Journal of Zhejiang University. Science. B" に掲載された浙江大学(中国)の研究(メタ分析)によると、太極拳が血中脂質の改善に有効かもしれません。
Zhejiang University = 浙江大学
メタ分析の方法

太極拳が血中脂質に及ぼす効果を調べた6つの前向き研究のデータを分析しました。 被験者の数は合計445人で、太極拳を行う期間は大部分(4つ)の研究において12週間でした。

結果
中性脂肪

太極拳をするグループとしないグループに分けて一定期間を過ごしたのち、太極拳をしたグループは太極拳をやらなかったグループに比べて、中性脂肪(トリグリセライド)値が平均で16.8mg/dl低くなっていました。

コレステロール

総コレステロール値も同様に、太極拳をしたグループの方が平均で8mg/dl近く少なくなっていましたが、こちらについては統計学的な有意性が欠けていました(95% CI -17.3~1.4 mg/dl; P=0.10)。 また、LDLコレステロール値とHDLコレステロール値については、太極拳をするかしないかによる違いが生じていませんでした。

解説
総コレステロール値でしか違いが見えなかった理由
総コレステロール値が太極拳により改善される傾向が見えたのに、LDLコレステロール値とHDLコレステロール値については太極拳の効果が一向に見られなかったのは、LDLコレステロール値とHDLコレステロール値が総コレステロール値に比べて運動などの介入の影響が出始めるのが遅く、そのため3ヶ月間という短期間では変化が生じなかったためかもしれません。
総コレステロール値には、LDLコレステロール値とHDLコレステロール値のほか中性脂肪・リン脂質・遊離脂肪酸の量も反映されます。
太極拳で血中脂質が改善される理由
研究チームによると、太極拳には有酸素運動的な要素と筋力トレーニング的な要素があり、それが血中脂質の改善に効果を発揮しているのだと思われます。 研究チームはさらに、次のようにも述べています:
「太極拳により血中脂質が改善されるのは、太極拳の運動効果が(太極拳に伴う)『気』の流れおよび瞑想により増幅されるためである」
「気」という言葉が登場するのはこの一箇所だけで、「気」がどのように運動効果を増幅するのかについては触れられていません。 それにしても、「気」という言葉が出てくるのは中国の研究チームならではですね。