日焼けのし過ぎでビタミンD不足になる恐れ

(2016年4月) ビタミンDは肌に日光(紫外線)が当たることで合成されますが、に米国ボストンで開催中の "ENDO 2016" で発表予定であるペルナンブーコ国立大学(ブラジル)の研究によると、日光に当たる時間が長過ぎても逆にビタミンD不足に陥る恐れがあります。出典: Tanning May Protect Skin Against Harmful UV Irradiation but Block Vitamin D Synthesis

日焼けにより黒くなった肌が紫外線の作用を弱めるために、日光に当たってもビタミンDが合成されにくくなるというのです。

研究の方法

ブラジルに住む13~82才の男女986人の肌の色・日光に当たる量・ビタミンD血中濃度を調べました。 この986人はいずれも、日光に毎日さらされるけれども日焼け止めを使う習慣がなく、ビタミンDのサプリメントも常用していないという人たちでした。

結果
被験者のビタミンD血中濃度の平均値は約26ng/ml(*)で、全体の72%がビタミンD欠乏症(†)でした。 ビタミンDの欠乏は高齢者や日光に当たる量が少ない人に多く見られました。

(*) ビタミンD血中濃度は一般的に、20ng/ml未満で「欠乏」、21~29ng/mlで「不足」とみなされます。

(†) 「欠乏症」は "deficiency" を訳したものですが、平均値が約26ng/mlということなので「不足(insufficiency)」と言いたいのかもしれません。 "insufficiency" という言葉は原文に登場しません。

日光に当たる量が多い人の方が日焼けの度合いが強く、ビタミンDが欠乏している率も低い傾向にありました。 ところが、日光に当たる量が最も多いグループの人たちは、大部分がビタミンD不足(血中濃度が30ng/ml未満)でした。

コメント
研究者は次のように述べています:
「紫外線の照射量が非常に多い熱帯地域に住む人たちであっても、ビタミンDが不足していました。 日焼けは有害な紫外線から身を守るために人体に備わっているメカニズムですが、今回の研究では、その日焼けが過度であるとビタミンDの充足が妨げられることが示されました」