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認知症の予防に効果があるのは緑茶だけ?

(2017年5月) "Oncotarget" 誌に掲載されたメタ分析によると、お茶が認知症の予防に効果を発揮してくれるかもしれません。 ただし、その効果が期待できるのは緑茶・紅茶・ウーロン茶のうち緑茶だけなのかもしれません。

メタ分析の方法

お茶(緑茶・紅茶・ウーロン茶)の飲用量と認知障害(*)のリスクとの関係について調べ 1965年~2017年1月までの間に発表された研究の中から所定の基準を満たす17の研究(†)を選出し、それらのデータを分析しました。 データに含まれる人数は4万8千人超でした。

(*) アルツハイマー病などの認知症や、認知機能の低下。

(†) コホート研究が6つ、ケース・コントロール研究が3つ、横断研究が8つ。

結果

お茶の飲用料が多いグループは少ないグループに比べて、認知障害のリスク(オッズ比)が27%低くなっていました。 認知障害のリスクはお茶を飲む量が多いほど下がっており、飲用量が100ml/日の場合には6%のリスク低下であるのが、300ml/日だと19%、500ml/日だと29%のリスク低下となります。

お茶の種類別に分析すると、飲用量が多いとき認知障害のリスクがに統計学的に有意に下がっていたのは緑茶だけで、紅茶/ウーロン茶(を混合した分析)ではあと僅かなところで有意ではありませんでした(*)
(*) 95%CIが0.55~1.01。 1.00を超えていないければ有意だった。 紅茶/ウーロン茶によるリスク低下幅は25%。

解説

緑茶

アルツハイマー病などの認知疾患には酸化ストレス(*)も関与していると思われますが、緑茶の成分であるカテキンには強力な抗酸化作用があります。 細胞実験では、緑茶カテキンにアミロイドβ(†)を抑制する効果があることが示されています。 緑茶に含まれるアミノ酸であるLテアニンにも、脳の神経細胞を保護する効果があるかもしれません。

(*) 活性酸素種(ROS)の量に対して抗酸化物質の量が不足している状態のこと。 体に悪い。

(†) アルツハイマー病患者の脳に蓄積が見られる毒性のタンパク質。

紅茶

紅茶は緑茶に比べてカテキンの含有量が少ないのですが、その代わり紅茶には、茶葉が発酵する過程においてカテキンから作り出されるテアフラビンという物質が豊富に含まれています。 このテアフラビンにも強力な抗酸化能力が備わっています。

関連研究

  1. "Plos One"(2016年)に掲載されたメタ分析では26の研究のデータを分析して、茶(種類は区別していない)を飲用する習慣がある場合には認知症になるリスクが35%低いという結果になっています。 たたしアルツハイマー病に限ると、茶の飲用習慣があってもリスクが下がっていませんでした。

    重複する研究

    "Plos One" に掲載されたメタ分析と "Oncotarget" に掲載された今回のメタ分析とで、メタ分析に使用された研究にかなりの重複があります。

    ケース・コントロール研究

    今回のメタ分析に使用された3つのケース・コントロール研究は、そのすべてが "Plos One" のメタ分析にも使用されています("Plos One" のケース・コントロール研究の数は10)。

    コホート研究

    今回のメタ分析のコホート研究数は6つで、"Plos One" のメタ分析のコホート研究数は4つですが、このうちの3つが重複しています。

    横断研究

    "Plos One" のメタ分析には横断研究のデータは含まれていません。
  2. "The journal of nutrition, health & aging"(2017年)に掲載された研究では、55才以上の中国系シンガポール人957人の飲茶量と遺伝子を調べたのち数年間にわたり認知症の発症状況を追跡調査して、ApoE-e4対立遺伝子というアルツハイマー病の遺伝子的なリスク要因の保有者に限り、お茶を飲む習慣があると認知症のリスクが86%低いという結果になっています。
© http://kenkounews.rotala-wallichii.com/tea_cognitive-dysfunction_meta-analysis_oncotarget/