テロメラーゼが慢性炎症の原因だった

(2013年5月) シンガポールで行われた研究により、テロメラーゼという酵素がヒトのガンにおける慢性炎症の原因であることが明らかになりました。

テロメラーゼが、NF-kB が発現する炎症性分子の生産を調整していたのです。 NF-kB は、慢性炎症の調節を司る因子であることが知られています。

慢性炎症

慢性炎症は、ヒトのガンや、自己免疫疾患(リウマチや1型糖尿病など)、神経変性疾患(アルツハイマー病やパーキンソン病など)、代謝疾患(糖尿病など)の多くにおいて根源的な原因になっていると考えられるようになっています。

テロメラーゼ

テロメラーゼはガン細胞が無限に分裂する原因にもなっているのですが、今回の研究で、このテロメラーゼが慢性炎症の開始と持続の原因にもなっていることが明らかになりました。

研究の概要

原発性の(転移によるのでない)ガンの細胞サンプルを用いてテロメラーゼの活性を阻害したところ、ヒトのガンを促進する主因として知られる IL-6 という炎症性分子の発現量も減少しました。

テロメラーゼをターゲットとする薬が開発されれば、炎症を和らげることで、ガン細胞を消滅させれる可能性があります。

ヒトのガンの90%超において慢性炎症とテロメラーゼが過剰に活性化していることは知られていましたが、今回の研究により、これらが実際に相互依存の関係にあることが示されました。 この研究成果により、ガンだけでなく関節炎など(慢性炎症の関わる)様々な病気の治療法の開発が進むと思われます。