テロメラーゼには自らを分解するスイッチが備わっていた

(2014年9月) "Genes and Development" に掲載された Salk Institute の研究によると、老化の時計と言われるテロメアの長さを回復するテロメラーゼという酵素には自らを分解するスイッチが備わっています。

このスイッチを操作することが出来れば、テロメアが短くなるのを遅くして加齢性の疾患を治療する(例えば高齢者において重要な臓器を再生するなど)ことが出来るようになるかもしれません。

また、ガン細胞ではテロメラーゼが多いためにガン細胞の成長が抑制されない状態に陥っていますが、今回発見されたスイッチを用いてガン細胞におけるテロメラーゼの活性を通常の細胞以下に抑制できる可能性があります。

この研究は、Saccharomyces cerevisiae というワインやチーズを作るのに用いられるイースト菌(単細胞生物)を用いて行われました。

細胞分裂においてはゲノム全体が複製されます。 今回の研究によると、この複製のプロセスが進行している間、テロメラーゼは重要なパーツが欠けた状態のままです。 そして、ゲノム全体の複製が完了したときに、欠けている部分が加わってテロメラーゼが完成し、テロメアを回復する能力を獲得します。

ところが今回の研究によると、テロメラーゼは完成した直後に速やかに分解されて、スイッチがオフになったような不活性状態に陥ります。 研究グループは、このメカニズムのために細胞内のテロメラーゼが非常に少ない状態に保たれているのだと考えています。