男性ホルモン(テストステロン)の多い男性はウソをつかない

(2012年10月) "PLoS ONE" に掲載されたボン大学の研究によると、テストステロン(男性ホルモン)が多い男性ほど嘘をつくことが少ない可能性があります。 テストステロンを肌に塗布された男性は、プラシーボを塗布された男性に比べて嘘をつくことが少なかったのです。
Wibral M, Dohmen T, Klingmüller D, Weber B, Falk A (2012) Testosterone Administration Reduces Lying in Men. PLoS ONE 7(10): e46774. doi:10.1371/journal.pone.0046774 (Licensed under CC BY 4.0)

テストステロンは攻撃的およびリスク好きな行動と気質を助長すると言われており、2008年に行われた研究でもテストステロンの体内量と投機的行為との関係が指摘されています。

研究の方法

この研究ではまず91人の健康な男性を2つのグループに分けて、一方のグループの肌にはテストステロンを、そしてもう一方のグループの肌にはプラシーボを塗布しました。

テストステロンを塗布した翌日に、テストステロンを塗布したグループでテストステロンの血中濃度が増加していることを病院で確認しました。
被験者の行動に影響がないように、被験者だけではなく研究者にもどの被験者がテストステロンを塗布されたのかがわからないようにしました。
サイコロのゲーム

テストステロンの血中量を計ったのち行動をテストしました。 テストの内容はサイコロのゲームで、点数に応じておカネをもらえるというものでした。

被験者がサイコロ・ゲームを行ったのはブースで仕切られた個室だったので、好きなだけ嘘の点数を報告(PCへの入力による)することが可能でした。 点数に応じて本物のお金を貰えるうえに嘘をつき放題なのだから、実際の点数よりも高い点数を報告してたくさんお金をせしめようとする人も当然出てくるわけです。

統計学的にはサイコロの目(1~6)が出る確率はどれも同じなので、異常に高い点数を報告した人はウソをついていると考えられます。

結果

テストステロンを塗布されたグループはプラシーボを塗布されたグループに比べて、嘘をつくことが少ないという結果でした。 研究者によると、テストステロンの体内量が多いとプライドと肯定的な自己像を持ちたいという願望が強くなるために、このような結果になったのだと思われます。

研究者は「この結果は、テストステロンが非社交的な行動の原因になるという一面的なアプローチに反駁するものである」と述べる一方で、「ビジネスや個人生活において、ウソが果たす役割は大きい」とか「ウソには良いウソもある」などとも述べています。