テストステロンが多いと予防接種の効果が減る

(2013年12月) 女性よりも男性のほうが細菌・ウイルス・寄生虫・カビ(真菌)などによる感染症に弱く、インフルエンザ・麻疹(はしか)・肝炎などの予防接種の効果も少ないことが知られていますが、"Proceedings of the National Academy of Sciences" に掲載されたスタンフォード大学の研究によると、その原因はテストステロンにあるかもしれません。

テストステロンの体内量が多い男性のほうが、テストステロンの少ない男性や女性よりもインフルエンザの予防接種をした後の抗体の増加が少なかったのです。 女性はおしなべて男性よりも抗体反応(予防接種後の抗体の増加)が強かったのですが、男性であってもテストステロンが少ない場合には、女性と同程度の抗体反応が見られました。

メカニズム

テストステロンは動物実験や生体外実験(培養組織を用いた実験)により抗炎症作用があることが確認されていますが、今回の研究によるとテストステロンは直接的に免疫応答を抑制するのではなく、"Module 52" と呼ばれる遺伝子群(の発現)を介して間接的に免疫応答を抑制します。

研究の方法

女性53人および男性34人(年齢は様々)がインフルエンザの予防接種を受ける前後に採取した血液サンプルのデータを分析しました。 分析項目は、各種のシグナル蛋白質の量・各種の血球(血液細胞)の数・免疫細胞中に存在する2万2千ほどの遺伝子それぞれの活性化の度合いなどでした。

さらに、男性34人をテストステロンの体内量に応じて2つのグループに分けて、Module 52 の活性化の度合いを比較しました。

コメント
研究者は次のように述べています:
「ヒトにおけるテストステロンの体内量と、遺伝子の発現、および免疫応答性の関係を示した研究は今回のものが初めてです。 テストステロンのサプリメントを服用している人に、今回の研究結果を知ってもらいたい」