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三次喫煙の有害性を調べたマウス実験

(2017年9月) カリフォルニア大学リバーサイド校の研究チームがマウス実験により三次喫煙の有害性を調査した結果が "Clinical Science" 誌に掲載されています。

三次喫煙とは

三次喫煙とは、タバコの煙が空気中から消えた後にも喫煙現場の椅子・机・壁・床などの表面に残るタバコ由来の有毒物質にさらされることです。

三次喫煙による有害物質は、呼吸・経口・皮膚接触などにより人体に入り込みます。 三次喫煙は、喫煙者の同居人や喫煙者が住んでいた賃貸住宅の次の住人に被害を与えるほか、ホテルの部屋・飲食店・カラオケ店・レンタカーなど不特定多数の人が利用する場所において、喫煙者以外の人に被害を及ぼします。

三次喫煙は二次喫煙よりも有害物質の量は少ないものの、一次喫煙や二次喫煙よりも慢性的に(四六時中)有害物質にさらされるのが問題です。

有害性

三次喫煙で問題となる有害物質の中には、発がん性物質として最も強力なものの1つであるニトロソアミン類(NNA、NNK、NNN)も含まれています。

カリフォルニア大学リバーサイド校が以前に行ったマウス実験では、三次喫煙により2型糖尿病や多動((小児の行動異常の1つ。落ち着きがなく動き回る症状。注意力散漫や衝動性を伴い、学習障害の原因となることが多い))のリスクが増加したり、肝臓や肺にダメージが生じたり、外傷が治りにくくなったりすることが示されています。

対策

三次喫煙のリスクは払拭することが難しく、例えば喫煙者が住んでいたアパートでは、喫煙者が引っ越してから2ヶ月経っても三次喫煙の有害物質が残っています。

三次喫煙の有害物質は除去が難しいため、掃除機・拭き掃除・換気・カーテンや寝具の洗濯などでは(少しは効果がありますが)完全には除去できません。 サンディエゴ州立大学の研究者によると、タバコ由来の有害物質に汚染された壁の上から塗装しても三次喫煙を完全に防ぐことは出来ません。

三次喫煙を完全に防ぐには、部屋の家具・カーペット・壁装材などをすべて新しいものに取り替えるしかありません。

研究の方法

タバコの副流煙に汚染させたカーテン・家具・カーペットなどの素材をマウスの飼育ケージに設置し半年間にわたりマウスを飼育して、三次喫煙がマウスの体に及ぼす悪影響を調べました。

結果

三次喫煙にさらされる期間に比例して、マウスの健康状態が悪化してゆきました。

肝臓

三次喫煙に1ヶ月間さらされた時点で肝臓にダメージが生じ、三次喫煙にさらされる期間が長くなるほどにダメージが増大してゆきました。

肝臓は体内に入った毒物の解毒において重要な役割を果たしているため、肝臓の機能が損なわれると三次喫煙に由来する毒物が体にいっそうの悪影響を及ぼすようになります。

ストレス

三次喫煙開始から1ヶ月目の時点でアドレナリンなどのストレス・ホルモンが増加し、三次喫煙の期間が2ヶ月・4ヶ月・6ヶ月と長くなるほどにストレス・ホルモンが増加する一方でした。

インスリン抵抗性

三次喫煙にさらされる期間が長くなると、マウスにインスリン抵抗性が生じました。 インスリン抵抗性の原因はストレスだと思われます。

振る舞い

三次喫煙にさらされたマウスは、さらされなかったマウスに比べて社交性が低下していました。

依存性

三次喫煙にさらされたマウスはやがて、三次喫煙に対する依存性(喫煙者が猛烈にタバコを吸いたがるようなもの)を示すようになりました。