「最新健康ニュース」のコンテンツを閲覧以外で利用する方は「引用・転載・ネタ探しをするときのルール」をご覧ください。

親指をしゃぶる癖や爪を噛む癖にアレルギー予防の効果。 両方の癖があれば尚良し

(2016年7月) "Pediatrics" 誌に掲載されたオタゴ大学(ニュージーランド)の研究により、親指をしゃぶったり爪を噛んだりする癖がある子供はにアレルギーが少ないことが明らかになりました。出典: Thumb-Sucking and Nail-Biting Have a Positive Side Study finds these children less likely to develop allergies

研究の方法

ニュージーランドに住む子供1千人超を対象に、親指をしゃぶる癖または爪を噛む癖の有無を5・7・9・11才の時点で調べました。 そして、子供たちが13才になった時点および32才になった時点でアトピー感作・喘息・花粉症の有無を調べました。

データの分析においては、両親が喫煙者であるかどうかや、猫や犬などのペットを飼っているかどうか、イエダニがはびこっているかどうかなどアレルギーのリスクに影響する要因を考慮しました。

アトピー感作(atopic sensitization)とは?

「アトピー」と聞いて頭に浮かぶのはアトピー性皮膚炎ですが、Wikipedia によるとアトピー性皮膚炎はアトピー症候群の1つに過ぎません。 アトピー症候群とは、花粉やイエダニ、カビ、ペット、食品、化学物質などのアレルギー原因物質によるアレルギー症状が生じやすい体質のことです。

次に「感作」という言葉についてですが、「食品感作とは」によると、この言葉は特異IgE抗体(アレルギー反応の指標)が増加した状態のことを指すようです。

つまりアトピー感作とは、アトピー症候群であることが血液検査により示されている状態(要はアレルギー体質)のことなのでしょう。
結果
31%の子供に、頻繁に親指をしゃぶったり爪を噛んだりする癖が見られました。 主な結果は次の通りです:
  • データ全体では、13才の時点で45%にアトピー感作が見られた。
  • 親指をしゃぶる癖と爪を噛む癖のどちらか一方があった子供では、この数字は40%だった。
  • 親指をしゃぶる癖と爪を噛む癖の両方を兼ね備えていた子供では、この数字は31%だった。
  • 32才の時点でも、親指をしゃぶったり爪を噛んだりする癖がある人にはアトピー感作が少ないという傾向は持続していた。
プレスリリースの元となった論文のアブストラクトを見ると、親指をしゃぶったり爪を噛んだりする癖が無いグループに比べて、そういった癖があるグループはアトピー感作のリスクが13才の時点で33%低く、32才の時点では39%低いとあります。

喘息と花粉症のリスクと親指をしゃぶったり爪を噛んだりする癖との間には、関係が見られませんでした。

解説

研究チームによると、指をしゃぶったり爪を噛んだりする癖がある人は、バイキンと接触する機会が多いために免疫力が強化されるのではないかと考えられます。

研究者は次のように述べています:
「今回の結果は、清潔過ぎる環境で育つとアレルギー体質になりやすくなるという説に合致します。 子供を不潔な環境で育てることを推奨するわけではありませんが、不潔と思われる癖にも良い面があるということです」